食べると元気になる!? げんきのこ
オンエアレポート
今回、注目するのはこちらです。2022.12.15
「食べると元気になる!? げんきのこ」
今回のイノベーターは、「有限会社パルテック」の金子幹生さんです。
「げんきのこ」、聞いたことがない言葉ですね。
金子さん、これは「食べると元気になる、きのこ」のことなのでしょうか?
「いえ、そうではなく、
これは、きのこを栽培した後の“菌床”を発酵させて作る、
牛用のエサ(飼料)なんです」
「きのこの栽培に使われる菌床はコーンコブ(トウモロコシの芯)、おから、ふすま、
米糠などでできており、
堆肥化されたり、焼却処理されてしまうのはもったいないし、
適切な処理ができれば、牛用のエサ(飼料)として有効であると考えて、
開発しました」
焼却処理されてしまう菌床を有効利用する。
素晴らしい取り組みですね~。
“菌床”を使うことが大きな特徴なのですが、
これは、牛のエサに、何か、良い影響があるのでしょうか?
「きのこに多く含まれるβ-グルカンは、
腸内の免疫細胞にダイレクトに働きかけてくれる食物繊維で、
継続的に摂取をすることで総合的に免疫機能を高めてくれると言われています。
さらに、コストの削減にもつながるということです。
「『げんきのこ』には、すでに5種類の穀物がバランスよく配合されています。
価格の高い配合飼料と置き換えれば、エサ(飼料)にかかる費用の削減になります。
また、牛の免疫力が上がることで病気の回数が減り、
治療にかかる費用・人件費も削減できます」
実際に使っている牧場の方や畜産農家さんからは
「餌代が下がった」「牛が健康になった」「畜産経営がうまく回るようになった」
といった声が寄せられていると、金子さんはお話しされていました。
10年前の2012年に販売開始した「げんきのこ」。
牛のエサの価格が高騰する今、販売する量、問い合わせの件数は、
ともに増加しているということです。
金子さん、
牛のエサをめぐる状況、今後はどうなっていくと思われますか?
「正直、どうなるか分かりません。
ただ、国内で製造できるエサの利用は、
今後、畜産の経営を続けていく中で重要になるとは思います」
「今後は、今、使われていない原料、未利用資源などを活用できる方法を考え、
エサ(飼料)の製造をし、もっと、国産のエサ(飼料)の自給率を高めていきたいです」
今後、どのようなものを原料にしたエサ(飼料)が登場するのでしょうか。
金子さん、新たなエサ(飼料)の発表、楽しみに待っています。