野菜の成長を促す“透明なフィルム”
オンエアレポート
今回、注目するのはこちらです。2022.12.01
「野菜の成長を促す“透明なフィルム”」
今回のイノベーターは、北海道大学の長谷川靖哉教授です。
野菜の成長を促す“透明なフィルム”。
これは「農業用のビニールハウスの表面に塗料を塗ったもの」だということです。
これが、なぜ、野菜の成長を促すのでしょうか?
「フィルムに塗った塗料が太陽から降りそそぐ紫外線を吸収して、
植物の成長に重要な赤い光へと変換します。
この赤色へと変換した光が、野菜など植物の育成を促進します」
では、“赤い光”が野菜の成長を促す理由は何なのでしょう?
「葉っぱの緑色は、葉っぱの中にある葉緑素が“赤い光”を効率よく吸収します。
この“赤い光”が植物の成長に重要な光合成を促進します。
光合成が“赤い光”によって活性化することで、植物がぐんぐん成長します」
このフィルムを使って、これまでに実験を行ったのは、
「スイスチャード」という野菜と、「カラマツ」の苗木。
「スイスチャード」は冬季育成(10月から1月)において1.4倍の重さに成長し、
「カラマツ」は1.4倍、早く成長することが分かっています。
長谷川先生のご専門は、光を自在にエネルギー変換する“量子化学”。
つまり、農業の分野は専門外。
どのような思いがあって、このフィルムを作ろうと思ったのでしょうか?
「植物や人体に影響があると言われている太陽の紫外線を使って、
未来の農業に貢献できれば、素敵だと考えました。
今回の研究のきっかけは、
北海道大学の農学部の植物育成専門の鈴木先生、および斉藤先生と一緒に
『新しい未来の農業に挑戦しよう』と話し合いをしたことです」
このフィルム、現在は研究段階で、
「今後は民間企業の方と一緒に製品化を目指していきたい」と、
お話されていました。
研究段階から前進し、実用化されるといいですね~。
長谷川先生、一日でも早く実用化されることを祈っております!