日本初の『ピーカンナッツ』の産地化を目指す、埼玉県の動き
オンエアレポート
今回は、こちらに注目します。2025.01.16
「日本初の『ピーカンナッツ』の産地化を目指す、埼玉県の動き」
今回のイノベーターは、JA南彩の斎藤和雄さんです。
ピーカンナッツは、どのようなナッツなのでしょうか?
「ピーカンナッツは、クルミに似た北米原産の木の実で、
柔らかく渋みのない食べやすさから、アメリカを中心に生食や製菓材料、料理のトッピングなどで
日常的に食べられている食材です」
「クルミと同じでローストして塩味をつけてスナックとして、また、パン・ケーキに混ぜて、お菓子に使用したりします」
「落葉性の木で、放置しておけば、高さは20メートルを超える高木になります。
樹齢は長く、300年以上も実を付ける樹もあります」
そもそも、国産のピーカンナッツは少ないのでしょうか?
「日本では1915年に持ち込まれましたが、接木増殖技術が未熟だったためと、
栗の栽培が流行り出したために消えていたと思われます」
「少ない理由は、日本では苗木を手に入れるのが今までは困難だったからだと思います」
そんな中、JA南彩は、「ピーカンナッツ」の日本で初めての産地化を目指しています。
こちらは、どのような思いがあったのでしょう?
「JA南彩管内は梨の産地ではありますが、生産者の高齢化により、その栽培面積が減少しつつあります。
そんな中、埼玉県の機関『春日部農林振興センター』の職員が、ピーカンナッツを紹介してくださいました」
「また、研修会を開催し、『栽培に手がかからずに、収穫も落ちてきた実を拾えば、
簡単に輸入のナッツより高単価が期待できる』など、生産者に呼び掛けてくださいました」
「それから、苗木の注文を取り、苗木を輸入し、栽培を始めたのが2019年でした」
栽培を始めてから6年ほどがたちましたが、今、生産者さんは何人、いるのでしょうか?
「苗木を購入した生産者は50人くらいいましたが、現在、今年の出荷を考えている生産者は10人くらいです」
ピーカンナッツの栽培、どのようなところが難しいのでしょう?
「何もしないと、樹高(=樹木の高さ)が20メートル以上になるため、毎年、剪定をし、樹高を抑えなくてはなりません。
また、枝や幹が風で折れたり割けたりするので、柱を立てて固定するなど、手間がかかります」
現状を踏まえ、ピーカンナッツの産地にするために、今後、どのようなことをしていこうと考えていますか?
「ピーカンナッツは、クルミと同じように殻に入っています。
クルミより簡単に割れますが、殻のまま売り出せないか考えています」
「どうしても殻を割る作業が大変でコストもかかります。
また、ピーカンナッツとJA南彩の産地としての認知度を上げていこうと思います」
斎藤さんにお話を伺って、
ピーカンナッツの産地化を実現するためには、まだまだ課題があることが分かりました。
目の前の課題を1つずつ解決し、埼玉県が「ピーカンナッツ」の産地になるよう、これからも応援しています。