浸水対策に!? スマート田んぼダム
オンエアレポート
今回はこちらに注目します。2022.11.17
「浸水対策に!? スマート田んぼダム」
今回のイノベーターは、
兵庫県たつの市 農地整備課の山口賢三さんです。
「スマート田んぼダム」とは、何なのでしょうか?
「田んぼは、給水と排水が必要で、これまでは、それを農家さんが現地に行って、
手作業で対応していました。
これを遠隔操作ですることを可能にしたのが“スマート田んぼ”です。
そして、“スマート田んぼダム”は、
この技術を使って、田んぼにダムの働きを持たせるものです」
「田んぼにはもともと、
雨水を一時的にためて洪水を抑える「ダム」のような働きがあります。
これに最新の技術をプラスして、治水の効果を高め、
浸水被害を軽減することを狙ったのが“スマート田んぼダム”です。
兵庫県たつの市では2021年から実証を始めています」
では、どのようにして、田んぼをダムにするのでしょうか?
「大雨が予想されると、
市の職員が水門をスマホやパソコンで遠隔操作して、
あらかじめ、田んぼの水をすべて外に排水します。
水を出し切った田んぼは雨をより多くためることができるので、
河川の増水を防ぎ、
浸水被害を減らすことにつながると期待されています」
遠隔操作できる水門は、市が農家の協力を得て、現在24か所の田んぼに設置。
24か所は、ごくごく一部だということです。
設置する数が増えると治水の効果が上がるので、
「もっと増えていってほしい」と、山口さんはお話されていました。
今後、増やしていくためにはどうすればいいのでしょうか?
「農家さんの理解のもと、官民の連携が必要です。
国・県などからは補助をお願いし、
メーカーの方には、価格のコストダウンに努めていただきたいです。
そうすることで、設置も増え、災害を未然に防ぐことに繋がると思います」
スマート田んぼダム。
浸水の被害を軽減するため、たつの市だけでなく、全国に広がっていってほしいですね。