2017.08.18 Fri
時代に合った、てぬぐいを作る。かまわぬ 高橋基朗
てぬぐいのトップブランド「かまわぬ」。代官山店は、8月28日に30周年を迎えます。
小宮山雄飛さんのリポートです!
■日本の良いものをもっと広めてもらいたいという思い。
僕はよく利用させてもらっているのですが、さっきまで「かまわぬ」ではなく「へのぬ」だと思ってたんですよ……(笑)
かまわぬ 専務取締役・高橋基朗さん
「よく言われます……(笑)」
どうして、てぬぐい専門店を作ろうと思ったんですか?
高橋基朗さん
「日本の良いものをもっと広めてもらいたいという思いから、30年前にブランドを作りました。開業当時、てぬぐいの工場は多かったのですが、配り物の用途が多かったんです。ただで配る物ではないだろうと私たちは考え、デザイナーがきちんとデザインし、配り物ではない、時代々々に合った物を作る『商品』として販売をし始めました」
それまで、おしゃれにデザインされたてぬぐいはあったんですか?
高橋基朗さん
「粋な作家さんなど遊びで作る方はいましたが、あまり見かけなかったですね」
昔からの古いコテコテなデザインか、お店の名前が入っているような粗品しかなかったですか?
高橋基朗さん
「そうですね。30年前、デザインされたてぬぐいはほぼ流通していませんでした」
■乾きが速い。
てぬぐいの、すごいところを教えてください。
高橋基朗さん
「乾きが速いところです。ハンカチ代わりに使っていただくと、その良さがわかります。保水力がないのでビショビショになるのですが、水道で洗ってキュッと絞って干すと今の季節なら20〜30分で乾きます」
店内には、ブックカバー代わりの手ぬぐい、お酒を包んだてぬぐいも!
高橋基朗さん
「最近増えている使い方が『瓶包み』。包んだてぬぐいごとプレゼントしてしまうんです。日本酒ですと四号瓶、またはワインの瓶が丁度良い大きさです。コツを覚えれば、難しくありません。包み紙の代わりに、酒屋さんで自分で包めますよ。日本人は奥ゆかしさがあるので、『どうだ!』とプレゼントの中身を見せる人は少ないですから。非常に気の利いた物になると思います」
■染料を注ぎながら染めていく。
「かまわぬ」のてぬぐいの特徴のひとつに、職人さんによる染色技術「注染(ちゅうせん)」があるそうですね。
高橋基朗さん
「注染は、染料を注ぎながら染めていく技法です。てぬぐいを作るには、型掘り、糊付け、染色という三段階の工程があります。型紙の上から糊を塗って、さらしを三十枚ほど重ねた上から染料をかけて一気に染め抜くんです。明治時代に伝わったと言われています」
Tシャツにプリントする方法のひとつ「シルクスクリーン」とは違うんですか?
高橋基朗さん
「注染では、型紙を使って防染糊というマスキング剤を塗ります。糊がついていないところは染まり、ついたところは染まらず洗うと白くなります」
注染は両面で染めるので片面だけが白くなったりせず、使い込むと色の変化を味わえるそうです。
〈「かまわぬ」代官山店 催し物〉
・8月20日(日)……てぬぐいの注染実演。職人さんの技を間近で見ることができるイベント(入場無料)
・8月19日(土)20日(日)……店先で、ふるまい酒・ふるまいかき氷あり!
・8月28日まで……代官山のさまざまなショップ34店鋪が参加している「代官山てぬぐいめぐり」開催中。「かまわぬ」製ショップオリジナルてぬぐいの販売。「かまわぬ」製てぬぐいのディスプレーも。
www.tenuguimeguri.com
■今までと違う視点で、これからのてぬぐいを見る。
これからのワクワク、教えてください!
高橋基朗さん
「8月19日から『てぬぐいのこれから』というイベントを始めます。今までと違う視点で、これからのてぬぐいを見る企画です。生地にいろんな加工を施し、素材として次の展開へ繋げる提案をします。今の技術と昔の注染の技術と掛け合わせて、どんな物ができるかという試み。興味のある方はお越しください」
http://www.kamawanu.co.jp
〈本日のオンエア曲〉
remember night / DE DE MOUSE
Bim Bom (Psapp Remix) / Astrud Gilberto