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2017.06.23 Fri

音楽レーベルが作ったオルタナ・コンビニ。Pヴァイン水谷聡男

下北沢駅から徒歩5分の住宅街にオープン! 「コンビニ&DELI」がコンセプトの店、『nu-STAND(ニュースタンド)』をご紹介します。

小宮山雄飛さんのリポートです!




■店内ですべて調理。





パッと見るといわゆるコンビニの品揃えの店内ですが、店の奥で食事を作っているんですね。

nu-STAND店長・前田裕司さん
「店内ですべて調理をしているのが、私たちの売りです。隣のイートイン・スペースで食べられます」

イートイン・スペースは20席とゆったり。nu-STANDで買った物を自由に食べられます。





nu-STAND名物のサラダバー!


新商品のパストラミ丼。肉厚でおいしい!


■日常の中に僕らの感性を落とし込みたい。



nu-STANDを運営するのは、なんと! 音楽レーベルのPヴァイン・レコード。

Pヴァイン 代表取締役社長・水谷聡男さん
「Pヴァインは書籍を含め音楽を中心にやってきた会社です。2015年に40周年を迎え、次のステップに向けて何か新しいことをやろうと考えました。僕らは音楽だけじゃなくて、もっと他にも好きなカルチャーがある。食べることも好き。日常の中に僕らの感性を落とし込みたいと考えた結果が、コンビニです」

コンビニは、ちょっと簡単には入り込めない業界のような気がしますが……!?

水谷聡男さん
「僕らも本当にできるかな、と思ってました。ニューヨークによくある『グロッサリー&デリ(食料雑貨と総菜の店)』は、自分たちのスタイルでサンドイッチなどの注文に応じるけど、棚にも食雑貨がいっぱいなんです。すごく地場に溶け込んでいて。そのイメージでやってみようと」

店舗を立ち上げるにあたって苦労したことは? スタッフは、どうやって探しましたか?

水谷聡男さん
「幸い、このプロジェクトを聞きつけた人たちがいまして。実はPヴァイン好きという人や、Pヴァインに出入りしている人がアルバイトに入ったり、フリーのライターやこれからPヴァインでリリースを控えているアーティストが働いたりもしています。僕も午後には店へ来て、レジに入ったりします」


■オルタナ・コンビニです。



身近なコンビニが、音楽やアート、本などと繋がるのは、僕らミュージシャンからするとありがたいですね。

水谷聡男さん
「もっと音楽レーベルと近い……例えばファッションなどの業種もあったと思います。でも、より違う形で僕らの感性に触れていただけるようなプロジェクトにしたくて、音楽レーベルとかなり離れたコンビニという業態になりました」




ミュージシャンからすると、Pヴァインがコンビニ業界へ進出したことは、とても心強いですよ!

水谷聡男さん
「既存のコンビニに比べると、まだまだです。不便な部分もたくさんあるコンビニで(笑) 100%コンビニエンスなコンビニを目指すんじゃなく、地道に手を動かして店内調理をし、違った付加価値を付けることで、もうひとつのコンビニの選択肢になれれば。それが、僕たちがやってきたオルタナティブ。オルタナ・コンビニです(笑)」


■カルチャーが生まれたらうれしいですね。



これから起こそうとしているワクワク、教えてください。

水谷聡男さん
「僕はヒップホップがすごく好き。昔観たスパイク・リー監督の映画『ドゥ・ザ・ライト・シング』に出て来るニューヨークのグロッサリーには、おじいちゃん、おばあちゃん、変な人、音楽好き、カルチャーにコミットした人など……いろんな人が集まって来るんです。そんな店を目指しています。下北にあるこの店も裏は住宅街。おばあちゃんも音楽好きもいっぱいです。みんなごっちゃごちゃに一つになって、何かカルチャーが生まれたらうれしいですね!」


nu-stand.jp

〈本日のオンエア曲〉
This Year / Beach Fossils
後悔 / 柴田聡子