2017.06.02 Fri
丸魚しか販売しない魚屋さん。おかしらや
今回は、魚屋さんに注目! 一匹まるまる、いわゆる『丸魚(まるざかな)』しか販売しないという丸魚専門の魚屋さん『おかしらや』をご紹介します。
小宮山雄飛さんのリポートです!
■毎日、大特価です。
東急大井町線・戸越公園駅の近くにオープンしたばかりの丸魚専門店『おかしらや』戸越公園店。今年2月にオープンした旗の台店が好評だったため、武蔵小山店と同時にオープンしたそうです。
おかしらや統括マネージャー・日下部俊典さん
「うちの店では、丸魚のままご提供しています。魚を加工する人件費、調理する場所や備品、水道代などのコストを削減し、お客さまへ還元しています。スーパーの店頭価格の20〜50%オフ。毎日、大特価です。市場のような業態ですね」
一般の方向けの店舗ですが、価格が低いため近くの飲食店の方も買いに来るとか。
■さばくきっかけがなかったというお客さんが多い。
若い方は、自分で魚をさばけるのでしょうか?
日下部俊典さん
「さばけないのではなく、さばくきっかけがなかったというお客さんが多いですね。初めてさばいて『失敗したけれど、家族が喜んでくれた』とおっしゃるお客さんもいます。失敗しても、それほど家計に痛くない値段ですし(笑)」
店内を見回すと……カツオが2キロで680円! 安い!
日下部俊典さん
「うちは独自の仕入れ。産地直送です。もちろん築地からも仕入れますが、人件費や加工費用を削減しているので非常に安いです」
自分で魚をさばく自信のない方のために、『おかしらや』の店内では、さばき方や調理方法を解説する動画を流しているほか、わかりやすい説明の冊子を置いています。
YouTubeでも調理方法を動画を公開しています。
https://www.youtube.com/channel/UC5gxarIeO3bJdLWbBE2xkBw
■漁師人口の減少と高齢化。
『おかしらや』を運営するのは、株式会社フーディソン。代表の山本徹さん(39歳)は、もともと水産とは一切関係ないIT系の介護・医療業界にいた方です。
ある時、一人の漁師の方に出会い、水産業の厳しい現実を聞かされました。
「このままでは、漁師人口の減少と高齢化に伴い、あのおいしい秋刀魚が食べられなくなってしまうのでは?」
危機感を抱いた山本さんは、水産業の流通や小売にかかわる方々と接触を重ね、2013年にフーディソンを起業。様々な産地の水産品を提供する魚屋さん『sakana bacca(サカナバッカ)』を立ち上げました。
スタイリッシュな店構え、独自の流通網で全国各地からの届く新鮮な魚介類。これまでにない新しいお魚屋さんとして、話題になります。次のステップが、今回ご紹介している『おかしらや』。
日下部俊典さん
「『おかしらや』旗の台店で検証したところ、想像していたよりも多くのお客さんが魚をさばけることがわかりました。漁師の後継者の減少、水揚げの減少などの要因で魚の価格は年々上がっていますが、低価格で魚を販売したところ、お客さんの反応が良かったので、『sakana bacca』から『おかしらや』へ業態を変えました」
■丸魚をもっと身近に、もっと楽しく。
日下部俊典さんが考えている、これからのワクワク教えてください!
日下部俊典さん
「『おかしらや』が増えることで、丸魚をもっと身近にもっと楽しく感じられるようになれば。今までスーパーでは、決められた魚がすでに加工され、いい値段で売られていましたが、我々は逆。日本にいる4,000種類の魚を、あらゆる場所で手にし、自分たちでさばいて、いろんな味を楽しめるような世界を作りたいです」
okashiraya.jp
〈本日のオンエア曲〉
Under the Sea / Suburban Legends
I'll Do Anything / JASON MRAZ