2017.02.04 Sat
コーヒーと靴をコラボ。粕谷孝史
最新テクノロジーで〈マイシューズ〉を作ってくれる靴屋さん、『靴工房カフェ』をご紹介します。株式会社ミリメーターの代表・粕谷孝史さんに話を伺いました。
小宮山雄飛さんのリポートです!
■3Dプリンターで靴の木型を加工。
やって来たのは、東京・市ヶ谷。お堀から、急な坂を北に3分ほど登った所にあるビル、『Lowp』。
Lowp inc.代表・中西宗義さん
「ここ『Lowp』は、シェアオフィスです。多くがモノ作りに関わる事業者さんで、モノを作る空間をみんなで共用しています。イベントを演出する企業さんが多いです。このビル自体が僕らの手作りで、机や電気やフロアなども自分たちで作りました」
『Lowp』の地下に、カフェを併設した靴屋さん『靴工房カフェ』があります。
株式会社ミリメーター 代表・粕谷孝史さん
「お客様が軽い気持ちで靴をオーダーできないか、と考えてコーヒーと靴をコラボしました。今は注文が多く、二ヶ月以上のお時間をいただいております。」
価格は、いくらでしょうか?
粕谷孝史さん
「まず木型を作るので、一足約7万円ほど(※二回目以降は、木型製造代がかかりません)。一般的には約15万円ほどですが、そこをテクノロジーでカバーして作業行程を短くしています。通常のオーダーメイドでは、木型を作るだけで一ヶ月ほどかかりますが、うちではスキャナーで足の型を取って3Dプリンターで加工するので、一日ほどです。手作業で勘でやっていた頃よりも時間が早く、加工も正確になっています」
■人間の手の力や技が必要。
女性は、靴で悩むことが多いのでしょうか?
粕谷孝史さん
「世の中にこれほど外反母趾の方がいらっしゃるのかと思うほど、非常に多いです。既製品で悩まれていて、どうしても靴を作りたいのに店が見つからなかった、と。男性は靴紐で調整できますが、女性のパンプスはフィット感が必要になってきますので、オーダー・シューズが大事です」
3Dプリンターで木型を作った後、職人さんの技は必要なのでしょうか?
粕谷孝史さん
「ミシンで塗ったり、革を木型に巻く〈釣り込み〉という作業は人間の手の力や技が必要ですので、あえて職人さんの技術を採用しています。足の骨格や肉の付き方を見て、少し締め上げるなどの人間技は残しています。お客様が満足できる物はコンピューターだけではできません。オリジナルの〈マイ木型〉を、みなさんが家庭で持ってもらう時代が来るんじゃないかと思っています」
■オーダーメイドではなく、マイシューズ。
粕谷孝史さんが考えているこれからのワクワク、教えてください!
粕谷孝史さん
「〈オーダーメイド〉ではなく、〈マイシューズ〉に世の中が変わると思っています。明日靴が欲しいという時に、一日でご提供できるオーダー・シューズの時代が来るんじゃないかと。そのために技術革新と職人の力を合わせ、〈セブンイレブンにある感覚の靴屋さん〉のように提供できたら。靴業界自体が古い世界で、新しい文化を採り入れることが難しいのですが、私たちがイノベーションを起こしたいです」
株式会社ミリメーター
www.millimeter.jp/
Lowp
lowp.jp/
〈本日のオンエア曲〉
Fux with the Tux / Tuxedo
Shelter / Porter Robinson & Madeon