2016.12.31 Sat
お風呂のことを、人に伝えたい。石川泰弘
大晦日の今日は、お風呂がテーマ。株式会社バスクリンの〈お風呂博士〉こと、広報担当の石川泰弘さんに話を伺いました。
小宮山雄飛さんのリポートです!
■お風呂を空間として考えてみる。
石川さんは、どういう経緯でお風呂博士になったのでしょうか?
石川泰弘さん
「お風呂のことを人に伝えるには、お風呂についてちゃんと知らないといけないと考えたからです。僕は冷え性だったのですが、お風呂にちゃんと入るようになったら治ったこともあって……。今は、順天堂大学大学院のスポーツ健康科学研究科の博士課程に在籍し、スポーツと入浴について研究しています」
今日は、大晦日。一年最後のお風呂です。
石川泰弘さん
「お風呂は、特殊な空間。自分なりに色々変えられます。今年一年を振り返って、反省したり楽しい気分になったり……。もし、精神的に疲れた一年なら、ライトを落としてキャンドルを焚いてみたり。お風呂を空間として考えてみる」
オススメのお風呂の入り方は?
石川泰弘さん
「お風呂は夜に入った方が良いです。寝る一時間半くらい前にお風呂から出ておけば、その後の眠りが非常に良くなります。体温の変化率はすごく大切。体温が下がると人間は眠くなります。お風呂に入ると体温は上がりますが、血管は拡張し熱放散しやすくなっているので、すっと体温が下がって深いに眠りに入ります」
温かくて眠くなるのではなく、体温が下がることで眠くなるんですね。
石川泰弘さん
「運動前に、お風呂に入るのも良いです。血液が運んだ酸素を使ってエネルギーを作るので、お風呂はウォームアップしているのと同じような状態なんです」
■『あ〜、気持ちいいな』と感じることがすごく大切。
入浴剤はどう使えば良いのでしょうか?
石川泰弘さん
「入浴剤は、タイプによって効き方が違います。例えば、バスクリンの商品なら〈バスクリン〉や〈日本の名湯〉などの粉タイプは、硫酸ナトリウムという温泉成分が主なので肌に残り、湯上がりがポカポカ。湯冷めをしません。〈きき湯〉などの炭酸ガスタイプは、血行促進に。肩こりや腰痛に向いています。シュワシュワと出る炭酸ガスの泡を体に当てなくても良いです。お湯にとけ込んだ炭酸ガスが皮膚から血管へ入って血管が広がり、代謝機能が働きます。乳液タイプは温まらないんですが、美容向け。背中など、手の届かないところのスキンケアができます」
一番風呂のビリビリ感を取りたい場合は、裏技があります。小さじ程度、5gくらいの〈うま味調味料〉を湯船に入れちゃうんです。〈うま味調味料〉の、うま味成分〈グルタミン酸〉と水道水の塩素がくっつくと違う物質に変わって、ビリビリ感がなくなります。バスクリンの入浴剤には、L-グルタミン酸ナトリウムという成分が入っています」
お風呂の温度や入る時間はどのくらいが良いのでしょうか?
石川泰弘さん
「温度は40度くらい。個人差があるので、入った時に『あ〜、気持ちいいな』と感じることがすごく大切。時間は、額からうっすら汗が出て来る頃まで。その後も長く入って良いんですが、急に心拍数が上がったり、急に汗が出て来たら、浴槽から出た方が良いです。また、足湯より〈手湯〉の方が体が早く温まります。足よりも手の方が心臓に近く、温まった血液がすぐ心臓に回るからです」
■気をつけた方が良い温泉は、美人の湯、美肌の湯。
お風呂博士オススメの温泉はありますか?
石川泰弘さん
「すごいのは、岩手県盛岡市の国見温泉。群馬県の法師温泉はカルシウムが強く、良い温泉です。青森県の古遠部温泉は、湯量が多くそれほど熱くない掛け流し。浴槽から溢れ出るお湯で、みんな寝てるのが面白いです(笑)
気をつけた方が良い温泉は、いわゆる〈美人の湯〉、〈美肌の湯〉。弱アルカリ性のお湯がほとんどで。弱アルカリ性と人間の弱酸性がくっつき皮脂が溶けてヌルヌルしているだけで、お湯がヌルヌルしているわけではないんです。温泉の成分で肌がきれいになると思っている人が多いですね。ボディソープで体を洗って、湯船でゴシゴシ体をこすることで皮膚に成分が入ってきた……と勘違いしています。お風呂を出て数時間、『なんか張りがある……!』と思うのですが、それは皮脂が溶けて肌が突っ張っているだけ(笑) 軽くこするだけで汚れは取れるので、ちゃんと保湿した方が良いです」
■昔のお風呂を体験する。
お風呂博士・石川泰弘さんが考えているこれからのワクワク、教えてください!
石川泰弘さん
「昔のお風呂と今のお風呂を体験できるミュージアムを作れたらいいですね。五右衛門風呂は知っていても、入ったことがなかったりしますし。鉄砲風呂を沸かして、昔の人の大変さがわかったり……。そんな、お風呂ミュージアムの番台に座りたいです」
株式会社バスクリン
www.bathclin.co.jp/
〈本日のオンエア曲〉
Mansard Roof / Vampire Weekend
Norwegian Wood / Priscilla Ahn