2016.12.03 Sat
新しい映画の上映スタイルを提唱。祖山裕史
カフェやバーなどで、新しい映画の上映スタイルを提唱するイベント、café de cinéma。代表の祖山裕史さんに話を伺いました。
小宮山雄飛さんのリポートです!
■飲みに来た時に、気軽に映画を観てもらえれば。
渋谷『のんべい横丁』にある、小さなダイニングバー『amulet-d』。この日、この店の二階にある約六畳の狭いスペース(+ロフト約二畳!)で開催されていたのが〈café de cinema〉というイベント。お酒を飲みながら映画を楽しめます。
祖山裕史さん
「ここ『amulet-d』では、隔週月曜日、19時半と21時半の二回上映しています。窓にスクリーンを下ろして上映するので、ビーズクッションに身を委ねてもらうと一番観やすいです。映画と1ドリンクで1,500円。追加オーダーはウェルカム! フラッと飲みに来た時に、気軽に映画を観てもらえれば。映画会社を通して上映の権利も得ているので、ときには映画会社に宣伝していただくこともあります」
この日、上映していたのは小説家、美術家、ミュージシャン、パフォーマンス・アーティストなどとして活躍するミランダ・ジュライが監督・脚本・主演を務める〈ザ・フューチャー〉。2013年日本劇場公開の映画です。
■SNSではなく、直接話をした方が楽しい。
café de cinémaを始めたきっかけは、何でしょうか?
祖山裕史さん
「僕は映画館で観るのが大好きなんですが、観たい作品が上映されにくくなっていたり、上映期間が短くて、気付いたら終わっている作品も多く……。もっと映画を観たいのと、あと映画を観た後の感想は、SNSではなく直接話をした方が楽しいので始めました」
お客さんは感想を言い合ったり、見知らぬ人同士が友達になったりするのでしょうか?
祖山裕史さん
「映画を観終わった後は、そのままそこに残って話をしたりしますね。飲みながら、というのがハードルを下げているかもしれません。下のカウンターでお酒を飲んで過ごす方も多いです」
café de cinémaがきっかけで出会い、結婚する人がいるかも知れませんね。これが本当の『シネコン』……!?
■一度やって楽しかったのは、ライブハウス。
渋谷『amulet-d』以外でも、定期的に上映会を行っているそうですね。
祖山裕史さん
「ビストロ・ダルブル恵比寿店の2Fで隔週水曜日に上映している、〈ヱビスキネマ〉。手縫いの刺繍アーティストとコラボして、食事とワークショップ付きの上映会。また、映画の世界観と料理をセットにした〈ビストロ・シネマ〉など。いろいろなコラボレーションでやっています」
今後、上映会をやってみたい場所は?
祖山裕史さん
「以前に一度やって楽しかったのは、ライブハウスです。昔のモノクロ映画の音を消して、上映中にジャズ・ミュージシャンが生演奏でBGMをアレンジしてセッションをしてもらいました。来ていただいた方の反応も良かったので、同じようなスタイルをまたやってみたいですね」
café de cinéma 今後のイベント情報
www.facebook.com/cafedecinema/events/
■持ち運びの上映会。
café de cinémaが考えているこれからのワクワク、教えてください!
祖山裕史さん
「地域や地方に回していきたい想いがあります。ご飯を出すフード・トラックと一緒に、バンを改造したシネマ・トラックというものをつくって、二台編成で全国各地を回りたいです。空き地や公園の端で二台の車が向かい合い、扉を開くとファサードができる。その下で映画とご飯とドリンクが楽しめる。そんな持ち運びの上映会をいろいろなところでやりたいです」
café de cinéma
www.facebook.com/cafedecinema/
〈本日のオンエア曲〉
Good Together / HONNE
Harlem Blues / CYNDA WILLIAMS