2016.11.05 Sat
島の情報を発信する。大久保昌宏
近年、注目を集めている日本の〈離島〉に注目。離島経済新聞社・代表の大久保昌宏さんに、話を伺いました。
小宮山雄飛さんのリポートです!
■離島専門ウェブメディア。
離島経済新聞社は、NPO法人として離島専門ウェブメディア『離島経済新聞』、季刊新聞『季刊ritokei(リトケイ)』の運営・発行を中心に、離島地域の健全な持続に貢献する事業を展開。編集部も離島……ではなく、東京・三軒茶屋。
大久保昌宏さん
「日本にある6852島のうち、人が住んでいる約420の島を対象に事業を行っています。情報を島に届けるだけではなく、島に住んでいる方の、日々の暮らしの情報を島の外の人たちへ発信しています。島同士、隣の島や離れた島でやっていることも発信しています」
■島は、人と人との距離感が心地よい。
離島の魅力は何でしょうか?
大久保昌宏さん
「自然の魅力はありますが、島の人たちがお互い助け合って生きているスタンス、人と人との距離感の心地よさが魅力です。島に魅力があっても、仕事や住居がないと島の外から人を受け入れられませんが、最近では奄美大島で『フリーランスが最も働きやすい島化計画』を自治体でやっています。インキュベーション施設(新しいビジネスを支援する施設)やコワーキング・スペース(事務所や会議室を共有する場)を整備。都市部の企業と連携したり……。島の外から人が入りやすくなり、島の中の人も仕事を増やせます」
離島へ移住するには、かなり勇気が必要ですよね?
大久保昌宏さん
「島は人と人との距離感が心地よい分、距離が近いので人間力が試されますね。少ない所ですと、一世帯という島もありますので……。東京の伊豆大島と新島の間にある〈利島〉は人口約300人ですが、毎年約一人ずつアイターンで移住し、人口がちょっとずつ増えています」
利島は、竹芝桟橋からジェット船で約2時間半。冬は波が荒く船の着岸率が低くなるので、一週間近く島に船が着かないことも……。近年、利島よりさらに南の御蔵島(みくらじま)から、野生のイルカが移住。利島で、イルカと一緒に泳ぐ『ドルフォンスウィム』が楽しめます。
■編集長は、那覇在住。
季刊新聞『季刊ritokei(リトケイ)』編集長の鯨本あつこさんは、沖縄県那覇市在住。Skypeで編集会議を開くなど、東京の編集部と常時連絡を取り合っています。まさに、離島経済新聞社のポリシーを体現するかのような働き方です。
編集長・鯨本あつこさん
「2年前まで東京に住んでいましたが、子育てもあり、夫の実家のある那覇市から仕事をしています」
いつかは島に住んでみたいかも……という人に向けて〈島と都市の経済学、移住定住編〉という講座を、2017年から開くそうです。
島の名産品のオススメは?
大久保昌宏さん
「離島経済新聞社とKDDIの共同で、島のいいものをauのユーザーに届ける《しまものマルシェ》というプロジェクトをやっています。全国のauショップで買えます。私の《しまもの》のオススメは、八丈島の《くさやチーズ》。おいしくて、食べやすいです。くさやをそのまま食べるよりは、まろやか。お酒のあてにも良いです」
編集長・鯨本あつこさん
「私の《しまもの》のオススメは、屋久島の魚の薫製。それから、奄美群島の黒糖焼酎です」
しまものマルシェ特集
https://shop.wm.auone.jp/
■地域の情報共有プラットホーム。
離島経済新聞社が考えている、これからのワクワク、教えてください!
大久保昌宏さん
「ウェブメディア《離島経済新聞》、季刊新聞《季刊ritokei》の二媒体を中心に情報発信を行ってきた過程で、地域の情報共有プラットホームとして育ってきました。この二媒体で、島を想う人たちが育っていければ。今まで有料販売していた《季刊ritokei》を、2017年2月からフリーペーパー化します。本土と島で隔てなく、たくさんの人たちに届けて行けるようにします」
離島経済新聞
http://ritokei.com/
〈本日のオンエア曲〉
You Will Return [Feat. Alice Russell] / Quantic
Free Feat. Jack Johnson / Donavon Frankenreiter