2016.10.15 Sat
新しい盆踊りを広げる。山岸清之進
今回は、10月15日(土)、16日(日)、東京・池袋で開催される、季節外れの盆踊りプロジェクト『フェスティバルFUKUSHIMA!@池袋西口公園』に注目。仕掛人の、プロジェクトFUKUSHIMA!代表/ディレクター、山岸清之進さんに話を伺いました。
小宮山雄飛さんのリポートです!
■ビッグバンドによる生演奏の盆踊り。
震災をきっかけに始まった『プロジェクトFUKUSHIMA!』のイベント『フェスティバルFUKUSHIMA!@池袋西口公園』。いったい、どんなイベントなのでしょうか?
山岸清之進さん
「池袋西口公園の円形の地面に、公園に大きな大風呂敷を敷いて、福島から持って来る木製の櫓を中心に立てます。ホーンセクションや鍵盤ハーモニカなどが入ったビッグバンドの生演奏に合わせて、オリジナル曲『池袋西口音頭』をみんなでをやります。大友良英さん(NHKの連続テレビ小説『あまちゃん』の音楽でも知られるミュージシャン)の作曲です」
撮影:菊池良助
■日本人は、盆踊りに興奮する。
愛知県豊田市の『炎天下 橋の上大盆踊り』、岩手県石巻市のストリート系サブカル盆踊り『寿FES!!!』、愛知県新城市の新感覚盆踊り『盆ダンス』……など、全国的各地のオリジナル盆踊りが人気だそうです。日本人は盆踊りに興奮するのでしょうか?
山岸清之進さん
「子どもの頃、盆踊りはあまり好きではなく、ダサいと思っていました。町内会のおじいさんおばあさんがやるもの、というイメージです。遠藤ミチロウさんが『盆踊りをやろう』と言い出して、最初は大友良英さんも抵抗があったんですけど、いざやってみるとサンバなどの外国のリズムとはまったく違い、盆踊りのリズムがみんなの体に元々入ってると感じました。
『プロジェクトFUKUSHIMA!』は、大友良英さんがノイズ、遠藤ミチロウさんがパンク……と、アバンギャルドな人たちが多く集まっていますが、盆踊りを始めたことで近所のおばさまが来てくれるようになるなど、参加のハードルが低くなりました」
■6,000平米の風呂敷。
元々、福島への長距離バスが池袋から出ていたこともあり、池袋を開催地に選んだそうです。『フェスティバルFUKUSHIMA!@池袋西口公園』で地面に敷く、大風呂敷とはどういう物なのでしょうか?
山岸清之進さん
「色や形の違う布を縫い合わせた、巨大なパッチワークです。2011年、『フェスティバルFUKUSHIMA!』を福島で開催した時、(原発事故の)放射性物質を心配される方がいらしたため、専門の科学者と現地を視察し線量を測りました。会場の線量は大丈夫だったんですが、放射性物質が体に直接触れることや、靴の裏に放射性物質を付けて帰りに拡散したくなかったので、シートを敷くことにしました。ブルーシートでもよかったんですが、ブルーシートでは味気ないので、美術家の中崎透くんと相談し、みんなで持ち寄った布と、全国から善意で送ってもらった布をミシンで縫い合わせました。その大風呂敷は、最終的には6,000平米の大きさになりました」
撮影:菊池良助
■海外へも広げたい。
山岸清之進さんが考えている、これからのワクワク、教えてください!
山岸清之進さん
「福島でこの盆踊りを始めて5年が経ち、今は札幌や池袋、中部地方などでも開催しています。さらに、海外にも広がって行くと面白いなぁと。ハワイでは、福島からの移民のみなさんが始めた盆踊りを、リズム違いで今もやっています。東日本大震災がきっかけで生まれた福島の新しい盆踊りが、いろんな所に広がっていくことを妄想しています」
フェスティバルFUKUSHIMA!@池袋西口公園
10/15(土)15:00〜20:00
10/16(日)13:00〜18:30
※雨天決行、荒天中止
入場料:無料
www.festival-tokyo.jp/
プロジェクトFUKUSHIMA!
www.pj-fukushima.jp/
〈本日のオンエア曲〉
あまちゃん音頭 / 大友良英
Vive Le Swing / In-Grid