2016.10.01 Sat
歌詞が映し出されるスピーカー。斉藤迅
今回は、曲をかけると歌詞が映し出されるという画期的なスピーカー『リリックスピーカー』に注目。開発を手掛けた株式会社シックス クリエイティブ・ディレクター、斉藤迅さんに話を伺いました。
小宮山雄飛さんのリポートです!
■言葉が、塊として飛んで来るイメージ。
近未来感のあるリリックスピーカーは、プロダクトデザイナー・小野直記さんがデザイン。
斉藤迅さん
「箱の後ろ側に無数のミュージシャンがいて、歌った言葉が塊として飛んで来るようなイメージをしました。モニターではなく透過スクリーンにすることで、言葉そのものに存在感があります」
どのような仕組みで歌詞が表示され、曲と同期しているのでしょうか?
斉藤迅さん
「いろいろな会社の技術を繋ぎ合わせています。まず、スマートフォンで曲を再生すると、株式会社シンクパワーのデータベースから歌詞を取得します。続いて、産業技術総合研究所のデータベースから、曲の構成や雰囲気のデータを取得。スピーカーの中に入っているUnityのプログラムが、曲に合わせて瞬間的に動画を生成しています」
リリックスピーカーは、洋楽邦楽合わせて120万曲以上に対応。現在は、スマートフォンやパソコンに入っている音源のみですが、年内にはストリーミング・サービスにも対応するそうです。
■歌詞に力をもらう。
リリックスピーカーを作ったきっかけは、何でしょうか?
斉藤迅さん
「歌詞を読み物としてじっくり味わうのは面白のでは……と考え、歌詞とそのミュージシャンの人生をまとめた本をまず出版しました。社会の荒波の中で何かにすがりたくて、歌詞に力をもらうことがよくあって……。毎朝、LED ZEPPELINの『アキレス最後の戦い』を大きな音で聴きながら、ヤル気を高めて会社へ行っていましたね。歌詞を味わいながら音楽を聴くデバイスがあれば最高だな……と思って、リリックスピーカーを作りました」
リリックスピーカーの価格は、324,000円。現在、先行予約を受付中です。
伊勢丹新宿店、日本橋三越本店、銀座三越で製品を体験することができます。
■変な物が生まれたら、すごく聴きたい。
斉藤迅さんが考えているこれからのワクワク、教えてください。
斉藤迅さん
「スピーカーだけではなく、色々な場所へ技術提供をしていきたいです。歌詞をビジュアルで見ることをベースに曲を作るミュージシャンが出て来るのでは? 昔の民族音楽には、何日もかけてその民族のストーリーを歌う、とても長い曲があります。先祖返りするように、音楽が元々あった状況に戻っていく。ポップスの3分間の枠、シングルやアルバムの枠から抜けて変な物が生まれたら、すごく聴きたいですね。いちリスナーとして楽しみにしています」
lyric-speaker.com/
〈本日のオンエア曲〉
Hey Brother / AVICII
Talking to Myself / Gallant