2016.09.17 Sat
日本の課題を解決する、新しいスポーツ。澤田智洋
今年はオリンピックイヤーということで、スポーツが注目を集めていますね。
今回は、まだ一般の人にはあまり知られておらず、これからの世の中を震撼させるかもしれない、新たなスポーツのムーブメント、その名も《ゆるスポーツ》をクローズアップ。《世界ゆるスポーツ協会》代表・澤田智洋さんに話を伺いました。
小宮山雄飛さんのリポートです！
■スポーツを作る。
《ゆるスポーツ》とは、いったい何なのでしょうか？
澤田智洋さん
「《ゆるスポーツ》とは、年齢、性別、運動神経の有無に関わらず、みんなが楽しめるスポーツの総称です。僕たちは、スポーツを作っています」
《ゆるスポーツ》を始めたきっかけは？
澤田智洋さん
「僕は足が遅いので、スポーツが嫌いです。小学校の同級生のTくんは、足が速いというだけで人気者だったので、二十数年経った今でも恨んでいます……（笑） 2014年に東京オリンピック・パラリンピックが決まった時、僕もスポーツをする人の仲間に入りたいと思ったのです。逆転の発想で、僕がTくんに勝てるスポーツを作ってもいいんじゃないか、と」
■新しいスポーツ。
《ゆるスポーツ》で作った、新しいスポーツを教えてもらいました。
澤田智洋さん
「最初に作ったスポーツは《ハンドソープボール》。《ハンドボール》を僕はできないので、特製の《スポーツ用ハンドソープ》を作りました。付けると、手がツルツルになります。5対5の10人でプレイ。試合開始前、プレイヤーはスターティング・ソープを2ソープ、2回付けます。試合中にボールを落とすと、アディショナル・ソープ。ボールを落とせば落とすほど、手がどんどんツルツツになってしまうんです」
澤田智洋さん
「次に開発したのは、ベイビーバスケット・ボール。略して《ベビーバスケ》。特殊なボールを開発しました。激しく扱うとボールが『エーーン！』と泣いて相手ボールに。圧倒的に母性がカギを握ります。ボールを持つプレイヤーは、4歩以上歩くと《子煩悩》というファウルで、相手ボールに。ボールを3秒以上持っていたら《過保護》。子育ては、ほどよく子離れも必要ですので……」
そのほか、両手に手錠をするバレー《手錠バレー》、イモムシのように床に這いつくばって行うラグビー《IMOMUSHI RUGBY》。さらに《こたつホッケー》、《ZOMBIE SOCCER》、《100cm走》、《スカッチュ》などなど、興味深い名前ばかりの《ゆるスポーツ》があります。
■日本の課題を、スポーツで解決する。
《ゆるスポーツ》は、どういった話合いで作っているんですか？
澤田智洋さん
「僕らは闇雲に《ゆるスポーツ》を作っているわけではないんです。協会に寄せられる日本の課題を、スポーツを作ることで解決します。例えば、高齢化。国民全体で考えると、不健康な方の割合が増えて医療費が圧迫されます。いかに、おじいちゃん、おばあちゃんの健康状態を保つか。リハビリは面白くないから続かないんです。だったら、楽しいリハビリになるようなスポーツを作る。我々が開発したのは《打ち投げ花火》。天井にある的へ、ダーツのように風船を両手で投げる。当たった場所に応じた得点とデジタルな花火が表示されます」
澤田さんは、《ゆるスポーツ》の《ゆるさ》について色々な想いを持っているそうです。
澤田智洋さん
「僕は、《ゆるい》という言葉が日本語の中で一番好きです。なぜなら、英語には無いから。日本人の、黒でも白でもない、グレーゾーンを是とする文化が生み出し言葉だと思っています。スポーツで言うと、スポーツをするかしないか。黒か白の選択肢しかない。《ゆる》という概念は、その間に新しい選択肢を作っていくこと。究極的には、《ゆる》という日本が持つ武器をスポーツ以外に応用したいんです。例えば、《ゆる音楽》。リズム感が悪い人、音痴な人が楽しめる楽器を作る。音楽が好きじゃなかった方も演奏できるかも？」
■「ガハハ」と声を出して笑う。
澤田さんが考えている、これからのワクワクとは何でしょうか？
澤田智洋さん
「《ゆるスポーツ》を通じてやろうとしているのは、日本の総笑い量を増やすこと。笑顔ではなく、『ガハハ』と声を出して笑う総量です。笑い合うことは、すごく大事。知らないヤツとも仲良くなるし、悩みも晴れる。日本には、笑いが少ない。ワクワクした日本を作りたいです」
世界ゆるスポーツ協会
〈本日のオンエア曲〉
The Love You Save(Asakusa S.C.'01 Mix) / Jackson 5
BODY MOVIN' (FATBOY SLIM REMIX) / Fatboy Slim
