TOKYO FM 毎週金曜日17:00-17:25
  • TOKYO FM
  • antenna

antenna* TOKYO ONGOING

2016.07.02 Sat

『コップのフチ子』誕生秘話。奇譚クラブ 古屋大貴さん

2012年7月の発売以来、累計1千万個以上を売り上げる大ヒット・カプセルトイ、『コップのフチ子』を販売する玩具メーカー、株式会社奇譚クラブ。

代表取締役の古屋大貴さんに、『コップのフチ子』の誕生秘話、ヒットの秘訣などを伺いました。
小宮山雄飛さんのリポートです!




■『絶対、売れる』と、自信満々で営業。



2016年9月で設立10周年の、株式会社奇譚クラブ。大ヒット作『コップのフチ子』は、どのようなきっかけで生まれたのでしょうか?

古屋大貴さん
「<コップのフチ子>考案者のタナカカツキさんは、マンガ家という肩書き以外に水草水槽(水草を主役に水槽の中をレイアウトすることを楽しむアート)が好きで、サウナの親善大使をやったり、テレビの放送作家のようなこともやったりと、多彩な方。

いつか何か仕事をしたいな、と思っていて、何も浮かばないまま会いに行きました。『一緒にガチャガチャをやりましょう』と言って。タナカカツキさんに考えていただいた、10個くらいの案のうちの一つが、<コップのフチ子>。最初は、<コップのフチに手がかかっているOL>程度の、殴り書きに近い絵でした。

<コップのフチ子>を発売して2週間で反応があり、1ヶ月程で初回出荷分が完売。もう、大騒ぎでした。モノが良かったので、製作過程の段階で、『売れるんじゃないか?』という期待はすごくありました。『絶対売れる』と、自信満々で営業もしましたし。売れてくれて良かったですね」


■丸一日、企画会議をやる。





奇譚クラブには、『コップのフチ子』の大ヒット以前にもヒット作があります。

『アマガエルストラップ&マグネット』や、『シリーズ生きる、土下座ストラップ』、『キノコストラップ』など、ミリオン超えのヒット作がたくさん。

現在も、『スマホのお布団』や、猫キャラの吸盤付きスタンド『くいとめるニャー』、銭湯のロッカーキーを模したデジタル腕時計『温泉WATCH』など、話題の新製品をリリースしています。

ユニークな商品開発は、いったいどのように行われるのでしょうか?

古屋大貴さん
「会議は月に一回だけです。丸一日やります。午前中は企画会議。みんなでテーブルを囲んで、各々が企画書を出します。みんなの反応が『うぉー! いいな!』となったら、採用。ボツは山のようにありますよ。ノルマはないので、『今日は企画がありません』と言うヤツもたまにいます。でも、例えば<コップのフチ子>を担当しているヤツが『今日は企画がありません』と言う場合には、『忙しいんだな』となりますが、若手が『今日は企画がありません』と言ったら、その場が変な空気になるので、自ずと企画を出すようになります」


■電子マネーで買えるガチャガチャ



最近のガチャガチャのシステムは、どうなっているのでしょうか?

古屋大貴さん
「Suicaなどのプリペイド型電子マネーで買えるシステムが、もう少しで導入されますね。ピッとやってから、回す。中国や韓国では、カードで買えるマシンがあります。みんな、財布の中にカードを入れているようです。ガチャガチャは、コインを入れるということが結構大事なので、せめてハンドルだけは残しておいて欲しいですね」


■ガチャガチャで世界平和を。



奇譚クラブが、これから起こそうとしているワクワクはいったい何でしょうか?

古屋大貴さん
「<カプセル ファンデーション>という取り組みを、これから始めます。『ガチャガチャで世界平和を』。ガチャガチャを一個買うごとに世界平和に何か繋がる、ということを僕らは発信します。日本国内だけではなく、『世界にも支援の手を』ということでやっていくので、世界で起きるいろいろなことを、きちんと見て行きたいです」

http://kitan.jp/



株式会社奇譚クラブの設立10周年目を記念した展覧会『奇譚クラブ10周年展』が開催中です。

古屋大貴さん
「今まで僕らが出して来た、全部の商品が見られます。新商品も追加されます」

開催日時:6月24日(金)〜7月10日(日)10:00〜20:30
※最終日は18:00閉場 ※入場は閉場の30分前まで
開催会場:福岡パルコ・本館 8F「パルコファクトリー」
入場料:一般500円 学生400円(小学生以下無料)
http://kitan.jp/event/kitanten_04
http://fukuoka.parco.jp/page2/event/9197/

<本日のオンエア曲>
Vektor feat.明和電機 / トクマルシューゴ
Laputa / Hiatus Kaiyote