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番組が選んだ今週の「ウィークリーパーソン」は…(2015/7/17)

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金曜日は番組がその週で最も注目した人物にフォーカスする「ウィークリーパーソン」!ジャンルを問わず、"感動"や"驚き"を与えた人物に注目します。


今週、番組ではこの4組をピックアップしました。


◆ウインブルドンテニスを制した、男子のノバク・ジョコビッチ&女子のセリーナ・ウイリアムズ!

◆MLBオールスター恒例の「フランチャイズ・フォー」で「マリナーズの4人」に選ばれたイチロー!

◆優勝した1998年以来17年ぶりに前半戦を首位で折り返した、横浜DeNAベイスターズ・中畑清監督!

◆中編小説「火花」で芥川賞を受賞した、お笑い芸人ピースの又吉直樹!

番組ホームページでの皆さんの投票ではやはり又吉直樹さんが関心を集めていますが、今週中西さんが注目したのは…



又吉直樹


又吉さんコメント「ほんとすごいびっくりしたんですけど、とにかく嬉しいです。ありがとうございます」


16日のトレンドアイズでもご紹介しました又吉直樹さんの「火花」が芥川賞を受賞しました。「スクラップ・アンド・ビルド」の羽田圭介さんとの同時受賞となり、153回の長い歴史の中でお笑い芸人が受賞する初の快挙となりました。


16日にお話を伺いました文芸評論家の重里徹也さんは「受賞は6割の確率」とおっしゃっていましたが、選考委員の方々が又吉さんの可能性、将来性を認めたということでしょうか。


受賞会見での又吉さんのコメントをご紹介します。


「芥川はおそらく僕みたいな髪型の奴、嫌いやとおもうんですよ。ベートーベンのことを『天才ぶっている』みたいなふうに書いてるのがあって、それがすごく印象深いんですよね。小説がすごく注目していただいて、いろんなとこで取り上げていただいて、街を歩いてても『火花読みましたよ』と声かけてくださる方が多いんで、いままでの『死神、死神』言われてたイメージとちょっと変わったかなと。今まで通り、芸人100でやってそれ以外の時間で書くというのをずっとやってきたんで、その姿勢みたいなもんは崩さないようにしようと思ってます」


「芸人100でやって、それ以外で書く」というのは楽しんでやっているということでしょうか。でないとやはりエネルギーは注げないと思います。


今回、芥川賞を受賞した「火花」を読まれた方も多いかと思いますが、作品は、売れない芸人と先輩の交流を通して、才能や人間関係の葛藤を描いていて、ページも登場人物も少なく一日あれば読み切れる作品となっています。


又吉さんが読書にはまるきっかけとなったのは、中学生のころ、教科書に載っていた芥川龍之介の「トロッコ」。以来、太宰治などの純文学をはじめ2000冊以上の本を読んだそうです。本好きのきっかけを作った芥川龍之介の名前を冠した賞を獲ったのも、なにかの縁でしょうか。


これまでエッセーや短編などを手掛けてきましたが、本気で文学作品に向き合ったのは初めて。昨年の9月から3カ月かけて、原稿用紙230枚分で書いたものが「火花」だそうです。


文芸誌「文学界」2月号に掲載されると、創刊82年の「文学界」が史上初の増刷となりました。3月に発売された単行本は今年上半期のベストセラーランキングで2位。内容や文体への評価も高く、文学作家の登竜門とされる「三島由紀夫賞」の候補にも上がりました。


又吉さんは会見で「これからも芸人として100%の力を出していく」と語っていましたが、普段、本を手に取らない人を振り向かせたということも与えた影響は大きいと思いますし、これからもより研ぎ澄まされた人間洞察力で良い作品を生み出してほしいです。



今週のウィークリー・パーソンは、中編小説「火花」で芥川賞を受賞した、お笑い芸人ピースの又吉直樹さんに注目しました。