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本格ミステリ 国内編・海外編 ベスト3(2015/4/30)

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木曜日は、「カルチャー」。


いよいよゴールデンウィーク突入です。
が、中には休みはあるけれど予定がない!
…という方もいらっしゃるかもしれません。
あるいは旅先でゆっくり楽しむのも良いかも…
今日は2015年版の「本格ミステリ・ベスト10 」から
国内編と海外編それぞれのベスト3をご紹介します。



◎国内編

第3位 『 小さな異邦人/連城三紀彦(文藝春秋) 』

第2位 『 満願/米澤穂信(新潮社) 』

第1位 『 さよなら神様/麻耶雄嵩(文藝春秋) 』

◎海外編

第3位 『 ミンコット荘に死す/レオ・ブルース(扶桑社) 』

第2位 『 服用禁止/アントニイ・バークリー(原書房) 』

第1位 『 逃げる幻/ヘレン・マクロイ(東京創元社) 』


以上、【 本格ミステリ 国内編・海外編 ベスト3 】をご紹介しました。
「本格ミステリ・ベスト10 」は、探偵小説研究会が決めるランキングで、毎年12月には原書房から本としても刊行されています。
今日はその「本格ミステリ・ベスト10 」を選んでいる探偵小説研究会代表で、文芸評論家の横井司さんに本のガイドをしていただきました。


Q.まずは国内編第1位、麻耶雄嵩さんの「さよなら神様」これはどういった内容なんでしょうか?


A.こちらは全部で6編収録されている短編集なんですが、主人公は小学生で「神様」と呼ばれている同級生から犯人の名前を告げられるところから物語が始まるんです。主人公は友達と少年探偵団みたいのを結成して犯人を捜すんですが、犯人の名前以外は何の手がかりもない中で色々と調べて、真相を突き止める…というストーリーになっています。「神様」なのにいじわるなんですね。名前しか教えてくれないなんて(笑)。

Q.海外編の1位、ヘレン・マクロイの「逃げる幻」こちらのストーリーはいかがですか?


A.これは、1945年…ドイツが降伏したあとのスコットランドが舞台となっています。で、イギリス人一家の長男がいつも家出ばかりしているんですけれど、それがあるときは、荒野の真ん中で目撃者がいる中で突然消えてしまったり…と不思議な現象が起きていて、最終的には密室殺人事件が起きる…という物語です。この作品の見どころは、伏線の素晴らしさとトリックの見事さです。これは、ドイツ降伏後のヨーロッパでなければ作品のストーリーが成立しないという、その見事さが感動的なラストにもつながっていく作品です。

Q.そのほか横井さんのオススメ作品は?


A.連城三紀彦さんの遺作となった「小さな異邦人」こちらも短編集なんですが、表題作が誘拐ミステリーで、誘拐されたという本人が家族の目の前にいるのに誘拐犯から電話がかかってくるという…そういう出だしから始まるストーリー。こちらが意外な展開を見せていく、という面白さもありますね。

ゴールデンウィーク特に予定のない方はもちろん、海外に出かける方もこんな小説を旅のお供にしてはいかがでしょう。
今日は【 本格ミステリ 国内編・海外編 ベスト3 】をご紹介しました。