木曜日は、「カルチャー」。
イギリスのレストラン業界誌「Restaurant」が、毎年恒例の「世界のレストラン・ベスト50=World's 50 Best Restaurants」を発表しました。今日はそのベスト3をご紹介します。
第3位『 オステリア・フランチェスカーナ(イタリア・モデナ) 』
第2位『 エル・セレール・デ・カン・ロカ(スペイン・ジローナ) 』
第1位『 ノーマ(デンマーク・コペンハーゲン) 』
3位の「オステリア・フランチェスカーナ」は昨年から順位をキープ。昨年1位だったスペインの「エル・セレール・デ・カン・ロカ」が2位に後退し、デンマークの「ノーマ」が2年ぶりの1位に輝きました。
この「世界のレストラン・ベスト50」の発表が始まったのは2002年。今年で13回目となりますが、1位に返り咲いた「ノーマ」は、今年開店10周年ながら、なんと4度目の1位!しかも、シェフのレネ・レゼピさんは1977年生まれの36歳という若さ!
ではこのデンマーク・コペンハーゲンにある「ノーマ」を、レストラン・ジャーナリストの犬養裕美子さんに紹介していただきましょう。
これまでのグランメゾンであれば、様々な食材を世界中から集めて、それを豪華な店内、かしこまったサービスなど、とにかく一流のものを集めました…というところを見せつけるのが一流のレストランの見本だったと思うんですが、ノーマはその全く逆で、テーブルにクロスはいらないし、食材もフォアグラ、キャビア、トリュフの3大珍味などは全く必要としていません。彼らが探したのは、これまで食されなかった食材をどういう風に取り入れるか。自分のところにある食材をいかに魅力的に見せるかというアイデアや知恵、手間ひまをかけること。そして、サービスもハートでサービスをする…という、今までの高級レストランとは全く異なったスタイルです。
実際に訪れたときは、一番最初にテーブルについたとき、白い花が花瓶に飾ってありました。で、スタッフがやって来て「花の調子が良くないので、すぐに取り替えます。」と花瓶をさげた後、改めて持ってきた花瓶には黄色い花があって、そこにカタツムリがいたんです。で、「これがひとつめのアミューズです。」と言われて、つまりそれはエスカルゴを白ワインで蒸した料理だったんです。それから細かい料理が次々と出てくるんですが、びっくりしたのが、すごく鮮やかなオレンジ色のシートみたいなものが出てきて、「これは海辺にある何でもない実で、シートにして使ったみた。」のだと。食べ物かどうかも分からないんですが、口に入れると酸味があったり、香りがあったり、お菓子のような感じもしましたけれど、なんだか口元が微笑んでしまうような、趣向を凝らしたアミューズが次々と出てくるんですね。
で、結構楽しいけれどいつまで続くんだろうと思っていると、そこからやっと料理が始まるんです。前菜があってメインディッシュがあるんですが、みんな同じような調子で、少ないわけでも多いわけでもないちょうど良い量で続いていくんです。その中のひとつで印象的だったのが“もみの木”を使った料理だったんですが、もみの木独特の良い香りがエキスとして抽出されていて、それが泡で包まれている、とても幻想的な料理でした。
そこまで行かないと食べられないというものが、食通の方にとっては一番のごちそう!こんなところにこんな変わったモノがあるんだね、というのを楽しみたいですね。
このお話を聞いて中西さんは「いやぁ、行ってみたいですねー!これからのレストランというのは、華美な食材を使ったものだけでなく、もっとナチュラルなものだったり、でもその中にアイデアがつまったもの…これから“レストラン”というもの自体も変わっていくんだなぁ、と思いましたね。」とおっしゃっていました。いつか「ノーマ」に行ってみたいですね。
今日は【 世界のレストラン・ベスト50 】についてご紹介しました。