ビジネスマン、OLのネタ帳になるトピックを、毎日お届け!キャッチアップしておきたいトレンドをランキング形式で紹介しながら、毎日ひとつの話題にフォーカスしていきます。

2014年に読むべきIT本 BEST3(2014/1/2)

カテゴリー:1113
null

木曜日は、「カルチャー」。


今日はお休み中の中西哲生さんに代わって、
IT関係に詳しい作家でジャーナリストの佐々木俊尚さんと
お送りしました。そこで今日は佐々木さんが薦める
【 2014年に読むべきIT本 BEST3 】をご紹介します!



第3位『 ビッグの終焉:ラディカル・コネクティビティがもたらす未来社会 』
ニコ・メレ/著(東洋経済新報社)

佐々木さん「“ビッグ”は大きい…ということですよね。
“スモールがビッグを殺す”ということで、例えば従来の大企業や政府といった組織が
どんどん小さなものにつぶされていくという、今のテクノロジーの現状をとらえた本。
この本が面白いのは、何故こんなことが起きているのかというと、これは革命で
1970年代くらいに社会の体制と戦った人たちが、パーソナルコンピュータを発明し
インターネットを作って、それが今に至る道筋を築いたので、これはそのときに始まった
暴力革命の最後の帰結がいま起きていると書いていて、非常に刺激的で
面白い本です。ちなみに僕も最後に解説を書いているので宣伝になっちゃうんですが、
まもなく発売になるのでぜひ読んで欲しいですね。」


第2位『 シグナル&ノイズ 天才データアナリストの「予測学」 』
ネイト・シルバー/著(日経BP社)

佐々木さん「このネイト・シルバーという方、日本ではあまり知られていませんが
実は“テクノロジー時代の予言者”と言われている人で、一昨年の大統領選のときに
全米50州でどちらの候補が勝つかというのを全て的中させたという、ものすごい人。
この人の新著がついに刊行されるということで、発売前からとても話題になっている一冊。
ものすごく大量のデータがある中で、そこから例えば大統領選を的中させるデータ
(=シグナル)は何なのか?それを探し出すことがとても重要で、単にノイズが多いだけでは
ダメで、その中から自分の必要なものを拾い出せるか、ということが書いてある
分厚いけれど、非常に刺激的な1冊。この本を読めば、どうやったら“シグナル”が
見つけ出せるか?その道筋みたいなものが見えてくる1冊です。」


第1位『 ビッグデータの正体 情報の産業革命が世界のすべてを変える 』
ビクター・マイヤー=ショーンベルガー/著(講談社)

佐々木さん「このショーンベルガーさんは“ビッグデータ技術”の第一人者で
ちょっと前の本なんですが、すごく面白い1冊。何が面白いかというと、
ビッグデータ時代には“因果関係”よりも“相関関係”が重要になるという考え方。
例えば何か事件が起きた場合、僕らは普通その“原因”と“結果”を分けて考えますよね。
でもビッグデータというのは、たくさんのデータを調べれば、その因果関係がなくても
相関関係だけで良い、とするんです。例えば“風邪薬とオレンジを一緒に食べたら病気が治る”
という事例があったとして、普通はその因果関係は分かりませんから、ウソだと思うでしょう。
でもビッグデータで相関関係が明らかになったなら、それはもうそれで良い…という考え方。
今後、因果関係を入れずに相関関係だけで物事を判断する時代がやって来るかもしれないという
我々の歴史観や人生観をひっくり返す可能性のある考え方で、“因果関係を探さない”ことで
我々の社会は成り立っていけるのか、という不思議なことを考えさせられる1冊です。」


以上、【 2014年に読むべきIT本 BEST3 】でした。


佐々木さん曰く「“ビッグデータ”そのものを学ぶ必要はないと思いますが、
そういうものが我々の社会を実際に推進していくんだ、という概念というか世界観を
身につけていくことが重要だな、と思います。」とのこと。
「IT本」というと、なんとなく専門書のようなイメージを持ってしまいがちですが、
実は私たちの日常にも非常に関わりの深いもの。まずは佐々木さんがおすすめして下さった
上記の3冊から手に取ってみてはいかがでしょう。


今日は【 2014年に読むべきIT本 BEST3 】をご紹介しました。