最も収入の多い作家ランキング トップ3(2013/8/22)
木曜日は、「カルチャー」。
今日は、アメリカの経済誌「フォーブス」が発表した
いま最も収入の多い作家ランキング
「The World's Top-Earning Authors」の
トップ3をご紹介します。
第3位『 スーザン・コリンズ 』
映画化もされている「ハンガー・ゲーム」シリーズの著者で、
12歳〜19歳が多く読むヤングアダルト小説を書くアメリカの作家です。
第2位『 ジェームズ・パターソン 』
1997年にエドガー・アラン・ポー賞を受賞した、スリラーを得意とする
アメリカの作家。最近は悲劇のヒーローが悲惨な学校生活を紹介する
「ザ・ワースト中学生」シリーズが人気です。
第1位『 E.L.ジェイムズ 』
ロンドン在住で元TVプロデューサーという経歴を持つ女性作家です。
3部作「フィフティ・シェイズ」シリーズは売り上げ7千万部を突破し、
「ハリー・ポッター」や「ダ・ヴィンチ・コード」を超える史上最速の
ベストセラーとなり、映画化も決まっています。
以上、アメリカの経済誌「フォーブス」が発表した最も収入の多い作家トップ3でした。
世界的にヒットしている「フィフティ・シェイズ」シリーズは、女子大生と27歳の大富豪を
過激に描いた女性向け官能小説です。どんな作品なのか?また、魅力はどんなところか?
早川書房から出版されている「フィフティ・シェイズ」日本語版の翻訳者、
池田真紀子さんにお話を伺いました。
「フィフティ・シェイズ」シリーズは、アナスタシアという女子大生が主人公で
彼女のルームメイトである学生新聞の編集長が、企業家で大富豪のクリスチャン・グレイという
人物のインタビューに行くことになっていた…というところから物語がスタートします。
ルームメイトが熱を出し、そのピンチヒッターとしてアナスタシアがインタビューに行くことになり
そこでクリスチャン・グレイと運命的な出会いを果たします。ふたりは恋に落ちますが
クリスチャンはSMの世界の住人だった…。アナスタシアはそういう世界に触れたことがないので
少し抵抗があって…というところから物語が進行していきます。
ストーリー自体は古典的なロマンスなので、そういう意味では安心して読める小説の中に
ドキドキするところと、覗いてはいけない世界を覗いてしまう、という快感がある作品です。
日常では知り得ない2つの世界が描かれていて、まずは大富豪の生活。何千万もする車を
パッと買って、それを「あげるよ」というような世界を覗き見ている感覚。あとは彼の年齢設定が
27歳というのも絶妙で、これが40歳くらいの人だと“大富豪感”が薄らいでしまいます。
27歳で大企業を経営して…というのが、ファンタジーだったり、妄想だったりのポイントですね。
また、ヒロインとヒーローの間は、とても純粋な恋愛で結ばれています。
クリスチャンがS側ですが、Sの人というのはMの人が何を求めているのかを先回りして読んで、
そのために奉仕するという一面があり、その気遣いみたいなものが私生活でも表れていて
クリスチャンはアナスタシアがいま何をしたいのかを考えてくれて、それを実現しようとする
ところがとてもキュートです。1巻目では「こんな奴!」って思いますが、ストーリーが進んでいくと
だんだん可愛くなってきて、クリスチャンを見るアナスタシアの目も変わってきます。
クリスチャンという人物は意外と純粋で、他人から愛されることを求めていたりと
女性の母性をくすぐる一面がだんだんと表れてきます。物語は3巻と長編ですが、読む価値はあります。
男性で読んでいる方もいらっしゃるようですが、世界的に見て読者の8割は女性の方でしょうね。
もともとE.L.ジェイムズは「フィフティ・シェイズ」シリーズをインターネット上で
無料公開していて、世界中に愛読者がいたそうです。それに目をつけた出版社が電子書籍と
書籍の形態で販売し、大ヒットへとつながったそうです。そしてこの「フィフティ・シェイズ」は
第1作目の映画化も決まっていて、映画は来年公開予定だそうですよ。
今日は『最も収入の多い作家ランキング』をご紹介しました。