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2013年本屋大賞 トップ5(2013/4/11)

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木曜日は、「カルチャー」。


今日は、全国の書店員が投票で
「いちばん売りたい本」を選ぶ、毎年恒例
『2013年本屋大賞』の投票ランキング
上位5作品をご紹介します。



第5位『 ふくわらい 』西加奈子(朝日新聞出版)

第4位『 きみはいい子 』中脇初枝(ポプラ社)

第3位『 楽園のカンヴァス 』原田マハ(新潮社)

第2位『 64 』横山秀夫(文藝春秋)

第1位『 海賊とよばれた男 』百田尚樹(講談社)

以上、2013年本屋大賞の受賞作上位5作品でした。


そして今日は、みごと『2013年本屋大賞』で大賞を受賞した
『海賊とよばれた男』の著者、百田尚樹さんをスタジオにお招きしました。


中西:今回はおめでとうございます!多くの文学賞は批評家や先輩作家が作品を選びますが
「本屋大賞」は書店員さんの投票で決まるものですよね。この受賞に関してはいかがですか?


百田:いやもう、本当に嬉しいです。ニュースなんかでも「直木賞より嬉しい」という
私の言葉が連日報道されていて、ちょっと恥ずかしいんですけれど…。でも、書店員の皆さんは
実際に読者の顔を見ているわけで、一番読者に近い立場の方々から選んでもらえたというのは
本当に嬉しいですね。

中西:今回の『海賊とよばれた男』は、石油会社「出光興産」の創業者・出光佐三氏が
モデルの歴史経済小説ですが、どうしてこれを書こうと思ったんですか?


百田:この物語のクライマックスに出てくる、昭和28年に起こった『日章丸事件』
についてたまたま知り合いから教えてもらう機会があって、それについて色々調べて
書いたのがこの作品なんです。

中西:僕はこの本を読んで、日本人の“誇り”や“自信”について改めて考えたんですが
この作品は百田さんにとってどういう作品なんでしょう?


百田:『日章丸事件』について調べていく中で、“出光佐三”という人物を知るにつれ
「これは今書かねば」と思ったんですよ。ここ十数年、バブルの崩壊、リーマンショック…と
日本経済はずっと右肩下がりで、さらに東日本大震災もあって、日本全体が自信を失っている様な
状態でしたが、彼は60歳のときに戦争で、一代で築き上げた会社資産を全て失っているんですよ。
それでも社員を誰ひとりクビにすることなく会社を再生させていって、日本の復興のために
力を尽くすんです。彼のこの生き方を今の日本人に知ってもらいたい、という思いで書きました。

中西:僕はこの主人公の“何からも逃げない”という姿勢がとても勉強になりました。


百田:そうですか!ありがとうございます。この主人公は95歳まで生きるんですが
生涯ほとんど、戦いの連続ですよね。生涯一度も逃げずに戦い続けた。彼は自分の人生を振り返って
「本当に苦しかった。死ななければこの苦しさから逃れられないのか?」と述懐しているんですが
それでも彼は戦い続けたんですよね。

中西:日本人が戦い続けるために必要なことは何だとお考えですか?


百田:そうですね…個人的に難しい話もあるとは思いますが、逃げたりしたくないですね。
僕らは、僕らの父親や祖父の世代が敗戦後に何もないところから築き上げた豊かさの上に
のっかっているわけで、その上にあぐらをかいて、それを頬張るだけではダメだと思いますね。
僕らはその豊かさを子供たち、孫たち、さらにその先の世代まで残していかなければなりませんよね。

中西:我々が未来の子供たちに何を残せるか、というのも課題ですよね。


百田:そうですね。私はいま57歳なんですが、これまでは自分のことだけだったんですけれど
これからは何か…なにか役に立つ生き方をしたいな、と思うようになりましたね。

中西:そうですよね。今朝は朝早くからありがとうございました。


百田さんが“いま書かなければならない”と思った作品『海賊とよばれた男』
ぜひ皆さんも書店で手に取ってみてください。今日は『2013年本屋大賞 トップ5』と
大賞受賞作『海賊とよばれた男』の著者、百田尚樹さんのインタビューをご紹介しました。