世界の都心総合力ランキング(2011/6/2)
木曜日は、「カルチャー」。
先日、世界の8主要都市の「都心=Inner City」が持つ力を評価したランキングが発表されました。
森記念財団 都市戦略研究所による『世界の都心総合力ランキング』
8都市は上海、シンガポール、ソウル、東京、ニューヨーク、パリ、香港、ロンドン。
その都心部から半径10キロ圏内の文化力や交通アクセスの良さなど、20の要素を調査。
8都市の都心部の魅力を比較したものです。
今日は、この『世界の都心総合力ランキング』上位3都市をみてみましょう。
コメントは、主任研究員 久保孝行さんです。
第3位 「ニューヨーク」
「NYというのは、非常に特有でして、都心と言われる機能は、ほとんどマンハッタンに集中しています。
例えば、劇場やミュージアムについては、ダントツで強いです。
世界3大文化都市として、原動力というのは都心部で支えています。
あと、都心から20km以内のところに、国際空港が3つあります。
気軽にタクシーで行けるほどの距離にありますので、ここも強みだと思います。」
NYでショッピングを連想する人も多いかもしれません。
でも、トップブランドの直営店は1つか2つで、3店、4店あるアジアの都市に負けているそうです。
加えて、NYの半径10キロ圏内には、ニュージャージーやクイーンズも含まれて、
他の都市に比べると、少し不利なんだそうです。
第2位 「東京」
「東京は、かなりバラエティに富んでいます。
いくつかある指標の中で、グローバル企業の数がダントツに多いんです。
フォーチュンという雑誌で毎年発表される「世界のグローバル企業TOP500社」で、
この中の50社以上が、東京に、しかも都心にあります。他の都市に比べてもダントツ1位。
さらに、レベルの高いレストラン、ミシュランの星付きレストラン、
その他の評価機関でも高い評価を得ているようなレストランもダントツ1位。
トップブランドの直営店。これもごとんどがフランス、イタリアのブランドが、すべて1位という数を誇っています。」
一方で、評価が低い部分は、都心部の移住人口が少ない。自然環境が少ない。
劇場やミュージアムの集客数が低い。国際空港へのアクセスは最下位。
この結果を受けて、中西哲生さんは、
「僕も30カ国以上行きましたけど、東京のご飯は美味しいです。相当美味しいと思います。
あと、東京は結構、緑が多いと思いますよ。皇居もそうですし、明治神宮、新宿御苑とか
いろいろあると思うんですがね。もっと必要なのかな?」
第1位 「パリ」
「そもそも、今回比較している都市の中で、一番小さいんです。だいたい東京23区の4/1程の規模なんです。
これは逆に言うと、小さな都市の中に、様々な魅力が凝縮されています。
内訳を見ると、20の要素の中で、ほとんどが平均点以上を確保しています。
バランスの良い、機能が分散されています。
その中でも特に強いのが、世界のトップ大学の数と学生数が、ダントツで多い。
あと、劇場やミュージアムの数と集客力が、ダントツで高い。文化的な面が、かなり強いと見えます。
さらに、高級ホテルやレストランが多い。
あと、交通網が充実しているなど、いろんな要素を見ても、相当バランスが良い都心を形成しています。」
ヨーロッパの中では、フランス・パリだけ行ったことがあるという古賀涼子さんは、
「セーヌ川から見る、近代化されたところと、歴史的な建物とが一緒に融合しているところが本当にステキなんですよね。」
それを受け、中西哲生さんは、
「新しいものと古いものが混在していて、セーヌ川が良い雰囲気を醸し出していますよね。
そして、エッフェル塔、凱旋門…。美術館も本当に良いものが多いですよね。」
人が街をつくり、街が人を作る。
東京も、これからさらに、魅力的な街になるといいですね。