14年連続日本一に選ばれた庭園とは??(2017/2/9)
木曜日は、「カルチャー」。
今日は、アメリカの日本庭園専門誌
【 数寄屋リビング ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング 】
が主催する「しおさいプロジェクト《日本庭園ランキング 2016》」
のトップ3をご紹介します。
第3位 『 山本亭/東京都葛飾区 』
大正時代に建てられた、山本家の住居を葛飾区が買い取り一般公開。270坪の書院庭園です。
第2位 『 桂離宮/京都市西京区 』
皇室関連施設でもある桂離宮。面積約7万平方メートルのうち、庭園部分は約5万8千平方メートル。回遊式の庭園は、日本庭園の傑作といわれています。
第1位 『 足立美術館/島根県安来市 』
日本で最も横山大観作品を所蔵していることで知られる美術館ですが、16万5千平方メートルに及ぶ日本庭園の美しさでも有名。なんとこの日本庭園ランキングで、14年連続の日本一となりました。
以上、アメリカの日本庭園専門誌が選んだ日本庭園ランキングトップ3でした。
そして今日は、14年連続日本一に輝いた「足立美術館」の学芸員・山根布由実さんにお話を伺いました。
中西:この度は本当におめでとうございます!14年連続ということで、盛りあがりましたか?
山根:そうですね。やはり14年連続ともなりますと職員一同喜んでおりますし、今後も多くの方に日本庭園の魅力をお伝えできるように、職員一丸となって庭園の維持・管理に努めて参りたいと改めて思っております。
中西:ここまで13年連続でしたから、プレッシャーなどもありましたか?
山根:そうですねぇ。庭師はだいぶ、気持ちを引き締めてやっているようです。
中西:それではここで、「足立美術館」の日本庭園の概要を改めて教えて下さい。
山根:建物を包み込むように、6つの庭園があります。庭園のみならず、山々の借景を活かした景観と、午前と午後、そして季節によって印象を変える風景を楽しんで頂けます。春はつつじ、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪景色。それぞれの良さがあります。
中西:先日、僕が伺ったときも雪景色だったんですけれど、本当に手入れの行き届いた素晴らしい庭園でした。こちらは日頃、どういうケアをされているんですか?
山根:通常は7名の庭師によって、専門的な管理をしております。それ以外にも、毎朝開館前に約1時間かけて、職員全員で清掃作業を行っております。
中西:庭園に素晴らしい“男松”と“女松”があるんですが、あれは何かあったときのためにスペアも用意されているんですよね?
山根:そうなんです。いつでも美しい状態を保てるように、同じような大きさで同じような形の松を用意していますね。庭園内には赤松だけでも800本ございますし、スペアも200本以上あります。
中西:あと嬉しいのは、来館者数がV字回復しているそうですね。
山根:そうなんです。昨年は過去2番目に多い数字でした。海外からのお客様も年々増えていて、2016年には2万5千人の方にご来館いただきました。
中西:常設展示されている横山大観の絵も素晴らしいですね。
山根:大観の作品は当館だけで120点所蔵しておりまして、そちらは皆さん驚かれますね。
中西:最後に、まだ足立美術館を訪れたことのない方にメッセージをお願いいたします。
山根:当館は創設者の「庭園もまた一幅の絵画である」という信念のもと、庭園を絵画のようにご覧頂ける“生の額絵”など、様々な工夫をしております。絵画と庭園をあわせてご覧頂けますので、ぜひ“日本の美”をご堪能いただければと思います。
季節毎に表情を変える素晴らしい日本庭園。一度と言わず、何度でも訪れてみたいですね。今日は、アメリカの日本庭園専門誌【 数寄屋リビング ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング 】が主催する「しおさいプロジェクト《日本庭園ランキング 2016》」のトップ3をご紹介しました。