栗原類さんインタビュー(2016/10/13)
木曜日は「カルチャー」。
今日のランキングは、新宿紀伊国屋「和書一般」売り上げ
最新ウィークリーランキングのトップ5をご紹介!
第5位『 君の名は。』新海誠/「君の名は。」製作委員会(角川つばさ文庫)
第4位『 人間の煩悩 』佐藤愛子(幻冬舎新書)
第3位『 どんなに体がかたい人でもベターッと開脚できるようになるすごい方法 』Eiko(サンマーク出版)
第2位『 住友銀行秘史 』國重惇史(講談社)
第1位『 ありのままに、ひたむきに 不安な今を生きる 』大谷光淳(PHP研究所)
以上、新宿紀伊国屋「和書一般」売り上げ最新トップ5でした。
さて。いま書店では、モデル・タレント・俳優として活躍する、現在21歳の栗原類さんが書いた自叙伝が話題となっています。それが、KADOKAWAから出版された『発達障害の僕が輝ける場所をみつけられた理由』今日は高橋万里恵さんによる栗原類さんへのインタビューの模様をお届けしました。
高橋:栗原さんは『発達障害の僕が輝ける場所をみつけられた理由』という本をお出しになりましたが、なぜこの本を書こうと思ったのでしょうか。
栗原:僕が発達障害について公表したのが20歳のときだったのですが、20歳になって自分のことを振り返る良い機会になるだろうな、と思ったのがきっかけのひとつです。
高橋:自分のことを書くのに、戸惑いなどはありませんでしたか?
栗原:最初はたぶん、どこかそういう部分もあったと思います。この本は自分のことを書いているんですが、これまで自分自身に全く興味がなく、自分のことを思い出すのがすごく大変だったので、当時のことをよく知っている親や学生時代の友人などに色々と話を聞いたりしました。原稿を書いているときに「このときはこうだったんだよね。」と当時のことを確認すると、「いや違う!このときはこうだった。記憶を美化するな。」といわれることが多くて、最初は自分のそういうだらしない部分が知られることに抵抗があったのですが、書いている途中からはそういうことも全く気にならなくなりました。
高橋:本の中ではお母様もエピソードを書かれていて、お母様が栗原さんに向けて愛のある言葉を書かれていることがとても印象的だったんですが、例えば映画『ファインディング・ニモ』を観て、物忘れをしてしまうドリーを面白いと言った栗原さんに、お母様が「あなたも一緒なのよ」とおっしゃられた、というエピソードも描かれていました。
物心がついたあとで自分に発達障害があるということを知らされたときの心境はいかがでしたか。
栗原:自分自身に興味のない人間だったので、発達障害だということを聞かされたときにもあまり深く考えなかったですし、どちらかといえば軽い気持ちで受け止めていましたね。ただ、ドリーと同じと言われたことで、どこかで自分は「笑われる人間なんだ」と無意識に思っていたのかもしれませんね。
高橋:今はテレビでお見かけする機会も非常に多いですが、これも最初には思い描いていなかったことですか?
栗原:思ってはいなかったですね。僕はもともと役者をやりたいとは思っていたんですが、バラエティーの仕事をしていくというのは僕自身も想定外でしたね。
高橋:これまで思ってもいなかった世界に入って、それらと折り合っていける大きな力は何なんでしょう?
栗原:仕事を続けていく中で、僕をサポートしてくれる人に恵まれたことも大きかったと思うんですが、僕自身が進歩しないというか、出来なかったことがすぐに出来るようになった訳でもないんですけれど、長い目で見守ってくれたり、気長に対応してくれた周囲の皆さんのおかげで、ここまで成長できた気がします。
高橋:自分が苦手なものってみんなあると思うんですが、そういったことを隠すのではなく、周りに話したり理解してもらうことは大切ですか?
栗原:そう思いますね。特に組織や会社などに属しているとなおさら、自分の苦手な部分を周囲の人に知っておいてもらうことは大切だと思います。そうでないと、僕のミスで周りの人みんなに迷惑をかけてしまうと思うので、自分自身の弱点は恥ずかしがらずに伝えることが大切だと思います。発達障害は僕の基礎を構成している大切な部分だと思っていますし、良い部分も悪い部分も含めて自分なんだと思っています。
栗原さんとの対談を終えた高橋さんは「栗原さんは本の中で“表情で伝えることが少し苦手なので、丁寧な言葉で伝えることを心がけている”とおっしゃっていたんですが、本当にその通りで、嬉しいことがあったときはすごく感謝の気持ちを伝えるとおっしゃっていました。そういうことって私たち誰もが気をつけなければならないし、輝ける場所を見つけるヒントになるのではないかとすごく感じました。」とコメントなさっていました。
今日は『発達障害の僕が輝ける場所をみつけられた理由』を出版された、栗原類さんのインタビューの模様をお届けしました。