面白くてちょっと変な男子に恋するマンガがきてる!?(2016/3/3)
木曜日は、「カルチャー」。
今日は3月3日「桃の節句」ということで、
【このマンガがすごい!2016 オンナ編 ベスト3】
宝島社が毎年刊行しているムック本「このマンガがすごい!」
2016年版の女性コミック部門 上位3作品です。
それぞれ第一巻を読んだ高橋万里恵さんが、感想を交えつつ
ご紹介していきます。
第3位『町田くんの世界』安藤ゆき (集英社)
物静かでメガネ。そんな外見とは裏腹に成績は中の下。
アナログ人間で不器用。なのに運動神経は見た目どおりの町田くん。
得意なことが何もないと本人は思っていますが、周りからは愛されています。
その理由とは・・・?
中西:え?なんでなんで?
高橋:そう思うじゃないですか。わたしも最初に読んだときに「なんだこの草食男子は!?」と思ったんです。
周りから愛されていて、でも勉強もスポーツも苦手で、本人は取り柄がないと思っている町田くんのギャップに、いつの間にか虜になっちゃうんですよ。そんな町田くんに、すごくかわいい女の子が恋をするんですけど、町田くんは周囲のみんなに平等に接するんですよ。みんなが大好きだから。町田くんのそこが好きなんだけど、でも自分だけを特別にみてほしいという女の子の想いにキュンとなるし、町田くんみたいな人が周りにいないかなと探しちゃいます。読んでいて心がほわっとします。
第2位『東京タラレバ娘』東村アキコ(講談社)
「タラレバばかり言っていたら、こんな歳になってしまった。」
そんなにイケていないはずじゃないのに、気がついたら33歳 独身。
脚本家 倫子は東京オリンピックまでに結婚したいと思うけど・・・
東村アキコの女子に対する鋭い視点と笑いが炸裂する最新作。
中西:なんかおもしろそう。
高橋:いやもう破壊力が半端ないです。アラサー女子のリアルを描いていて、倫子というのは独身で、東京オリンピックまでに結婚したいと言って毎晩女子会を開いているんですが、そこに底抜けのどん底感があるんですよ。
お酒を飲んでいると、居酒屋の男の子に「25歳までは助けてあげられるけど30歳からは自分で立て」と言われたりとか(笑)
中西:あはははは!それリアルだなぁ。
高橋:カラオケでTRFを歌っていて、ハニーパンケーキトーストを頼むんですが「え?これ私たちの女子会を見てましたか?」というようなリアル感。
そこでまた辛辣なことばがあったりして。これは新しいホラーだと思いました。
中西:女子がはまるパターンですよね、これ。
高橋:そう、怖い怖い!と思いました。
第1位『ヲタクに恋は難しい』ふじた(一迅社)
隠れ腐女子のOL成海と、ルックスがよく有能にもかかわらず重度のゲームオタク宏嵩。ヲタク同士の不器用な恋愛を描いたラブコメディ。
「次にくるマンガ大賞 2014」の“本にしてほしいWebマンガ部門”1位。
電子書籍レンタルサイト「Renta!」の2015年 少女マンガ売り上げランキング1位。
中西:これは絵がすごい好きです。素敵ですよね。
高橋:かわいらしいですよね。いわゆるコミケとかに行くと、ありそうな感じの絵のタッチです。
今まで、自分がヲタクだということを隠しながらヲタク以外の人とつきあっていたヲタク女子が、初めてガチなヲタクとつきあっていくんですけど。そうすると恋愛のやりとりもヲタクなわけですよ。ちょっと不器用な感じで、ヲタクの言葉を使って何を言っているのかわからないですけど、たぶんキュンキュンしているんだろうな、という感じは伝わってきて。
中西:へえ。それは伝わってくるんですね。
高橋:自分もこんな言葉を使いたいなと思ったり。いつの間にかはまってる。ヲタク同士の恋愛ってもしかしたら自分と重なる部分もあるかもな、と思いました。
最近、わたしは90年代のマンガを読んでいたんですが、その時代のマンガは男の子は爽やかでかっこよくて、そこに叶わない恋をしてキュンキュンするようなマンガが多かったんですが、この作品はかっこいいとかではないんです。ちょっとおもしろくてちょっと愛すべき変なところがある人に女性が惹かれている、というマンガが今きているんだなと思いました。
中西:ちょっとマンガも変わってきましたよね。いけてないこと自体も逆にいけてる、みたいな感じでね。
高橋:はい。おすすめ!
以上、「このマンガがすごい!」2016年版 女性コミック部門 上位3作品でした。