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池井戸潤さんと「下町ロケット」にみんな夢中!(2015/10/29)

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木曜日は、「カルチャー」。


10月27日から「秋の読書週間」が始まりました。
そこで今日はまず、紀伊國屋書店調べによる
電子書籍売り上げの最新ウィークリーランキングをご紹介!



第5位『 水鏡推理 』松岡圭祐

第4位『 ホーンテッド・キャンパス この子のななつのお祝いに 』櫛木理宇

第3位『 バチカン奇跡調査官 悪魔達の宴 』藤木稟

第2位『 陽気なギャングは三つ数えろ 』伊坂幸太郎

第1位『 下町ロケット 』池井戸潤


大ヒットしたドラマ「半沢直樹」原作本の著者・池井戸潤さんが2010年に単行本として刊行し、直木賞を受賞した作品「下町ロケット」が第1位。こちらの作品は、現在ドラマ版が放送されていて、こちらも高視聴率を記録しています。
今日は、池井戸潤さんに詳しく、親しい文芸評論家・村上貴史さんにお話を伺いました。


作家・池井戸潤について


池井戸潤さんの作品の魅力というと、やはりキャラクターがすごく生き生きしている、ということが思い浮かびます。もともとは「江戸川乱歩賞」という推理小説、ミステリーの賞を獲ってデビューされた方なんですが、ミステリーに特化した形で小説を書かれています。作品に登場する人たちがどう生きてきたか、どう生きていくか、というあたりをキッチリと盛り込んで書いているところが一番の魅力だと感じています。
もともと銀行の中で起きる事件などを書いてきた方なんですけれど、最近はそこにこだわらずに幅広い作品を書いていらっしゃる、そういう方ですね。

小説「下町ロケット」について


「下町ロケット」という小説は、主人公の名前が佃航平といいます。冒頭のシーンは、この人が技術者として参加したプロジェクトでロケットを打ち上げる、というところから始まります。このロケットは、佃航平が開発に携わったエンジンを搭載したロケットなんですが、そのロケットは発射自体が失敗に終わってしまいます。
で、作品の本編に入ると、この佃という人物の立場が全く違ったものになっています。ロケットの研究者ではなく、佃製作所という中小企業の社長になっていて、会社の経営者として色々と奮闘していく物語になっています。
この作品の魅力は、会社を襲う危機に対して「佃航平」という人物が、ロケットエンジンの開発者としての経験を生かして、新たにモノを造る会社としての本業を全うしていくことで、この危機を乗り切っていこうという姿勢…そういうところに、自分の持ち分を真面目に頑張ってやっていけば、やがて道は拓けていくということが表現された作品になっていて、この小説を読めば、働く人にとってエネルギーになる…そういった力を持っている作品だと思っています。
いま「下町ロケット」の続編が出るということが話題になっていますが、そのまま続けるというよりは、どうも一捻りした形で続きそうだということですので、佃航平という愛すべき主人公が、新しい局面で活躍していく姿が読めるのではないかと思っていて、非常に楽しみにしています。

ドラマの展開も小説の続編も楽しみですね。
今日は【 池井戸潤さんと直木賞受賞作の「下町ロケット」 】についてご紹介しました。