2017年注目の洋楽キーワード【トラップ】(2017/1/11)
水曜日は、「音楽」。
今日は、今年の洋楽シーンを賑わす“注目のシーン”を紹介。
音楽・映画ジャーナリストの宇野維正さんに伺いました。
【トラップ】という音楽ジャンルがいよいよメインストリームのポップ・
ミュージックを覆い尽くそうとしているというのが、2017年の現状だと思います。
2017年の洋楽キーワードは【トラップ】
いったいどんな音楽なのか?最新の洋楽チャートと一緒にご紹介します。
2位 Bad And Boujee『Migos Featuring Lil Uzi Vert』
第2位。ミーゴス「バッド・アンド・ブージーfeat.リル・ウージー・ヴァート」アメリカ・ニュージャージー出身の3人組ヒップホップユニットのミーゴスの今月27日発売の最新アルバム「カルチャー」から、先行配信シングルです。SpotifyなどのストリーミングやYoutubeの再生回数が大きく影響してランクインしています。
1位 Black Beatles『Rae Sremmurd feat.Gucci Mane』
第1位。レイ・シュリマー「ブラック・ビートルズfeat.グッチ・メイン」
ミシシッピ出身の兄弟ラッパーデュオ、レイ・シュリマー。昨年8月に発売したアルバムからのシングルです。こちらもストリーミングやYoutubeなどの再生回数、そしてSNSで盛り上がった「マネキン・チャレンジ」のBGMで使われたことが後押しとなり、大ヒット。今週は1位になりました。
最新のビルボード HOT100、この上位2位が注目の【トラップ】というジャンルのようです。スローですよね。あとビートが効いているかなと思うんですけど。それでは、宇野維正さんに詳しく解説していただきます。
このトラップというのは、特徴が3つぐらい音楽的な特徴があって、一つは非常にビートが遅い。BPMが遅いこと。あとその遅いビートの中にすごい刺激的な電子音が入ってくること。そして遅いビートでありながら、途中で痙攣したようなスネアドラムが連続して叩かれること。そういう、これまでのヒップホップとは全然ビートの作りが違うんですね。
ラッパーというのは基本的にヒップホップの場合、「ビートにライムをのせる」という感覚だったんですけど、【トラップ】の場合はビートにのせるというよりは、「ビートとビートの間に言葉を詰め込むという感じ」なんですね。なので、テクニック的にもこれまでのラッパーとトラップ以降のラッパーってやっていることが違うんです。ここに来て、トラップがここまでメインストリーム化した理由は、例えばドレイクだったり、ウィークエンドだったり、アリアナ・グランデであったり、そういう世界的なポップスターがトラップのラッパーをフィーチャリングで読んで、ポップスターがトラップをやるようになったこと。あと、これはヨーロッパのEDMというムーブメントがここ10年くらいありましたけど、そのEDMのDJたちがこぞってトラップをビートに取り入れるようになっていること。なので、音楽的には今、EDMってかなりトラップと融合してきているんです。
なるほどね。ちょっと難しかったけれど、理解できましたね。
ちなみに、日本のコアなヒップホップ界には浸透していますが、ポップミュージックでやっているのは、GENERATIONSや、三代目J Soul Brothersなど、なんだそうです。また、宇多田ヒカルさんのアルバムに参加したラッパーのKOHHさんは、トラップのビートでラップをしている代表的なラッパーということです。今、聴いていただいているのがKOHHさんの曲ですが、確かに特徴がそうなっていますね。
世界的にみても、注目を浴びているトラップミュージシャンはまだ若くて、20代半ばくらいということです。
今日は、2017年注目の洋楽キーワード【トラップ】を紹介しました。