2025.01.21
若者がもっとチャレンジできる環境を作る
ONE MORNING「 The Starters 」
火曜日のこの時間は社会に風穴を開けようと取り組む若き起業家をお迎えして
そのアイデアの根っこにあるものや未来へ向けたビジョンを伺います。
今週と来週のゲストは、株式会社アクティブアンドカンパニーCEOの大野順也さんです。
大野順也さんは大学卒業後、企業の営業畑や組織・人事系のコンサルティングを経験され、2006年にアクティブ アンド カンパニーを設立されています。
今週は主な事業内容について伺いたいんですが、まず設立当初からされているというコンサルティングのサービス、具体的にはどういうものなんでしょうか?
「弊社で取り扱っているのは組織とか人事の領域のコンサルティングでして、わかりやすいところで言うと評価制度をお作りしたり教育研修のお手伝いをしたりしています。最近ではHRテックと呼ばれる領域の人事管理システムですね、人事情報を一元管理するシステムですとか、グループ会社では給与計算のアウトソーシング、いわゆる給与計算の代行、そういったものも受けさせていただいてます。」
大野さんご自身が会社を作る前、前の会社でコンサルティング経験があったというふうに聞いてますが、それも影響はあるんですか?
「逆に言うとコンサルティングをしたくて、最初はコンサルティング会社に転職をしたんですけど、日本ってGDPの約70%がサービス業って言われてるんですよね。ということは人の能力とかパフォーマンス上げれば、会社とか日本の経済発展に繋がっていくだろうなって思ってですね、人とか人事に手を入れる仕事をしたいなと思って、コンサルティング会社に転職をして、それに類推するような会社を立ち上げたというのが19年前ですね。今年20周年なんですけど。」
人事の管理とかって自分たちの会社の中でやればいいんじゃないのって一見思ったんですが、外部に頼むのはどんなメリットがあるんでしょうか?
「自社でやってらっしゃる会社もたくさんあるんですけども、どちらかというとやっぱ第三者価値、僕たちはいろんな成功例もあれば失敗例も見てきてるんですよね。評価制度って作ればみんな成功するかって実はそうじゃなくてですね、評価の仕方で大失敗した会社とかも正直あったりしますのでそういった第三者価値とかいわゆる成功事例失敗事例、そういったノウハウを知っていること。こういったところが僕たちに依頼する一つの大きいメリットかなと思います。」
そんなアクティブアンドカンパニーですが、去年3月から新しいサービスを始めています。奨学金バンクというものなんですが、これはどういったサービスなんでしょうか?
「奨学金バンクは日本初の奨学金返還を目的としたプラットフォームでして、奨学金をもらった人たち自身の就職を支援をして、その人自身の奨学金返済を手伝っていこうということでスタートしたサービスです。奨学金を減らしてあげることで起業やキャリアチェンジ、言えばライフステージ、例えば結婚したり出産したりとかっていろいろライフステージがどんどん変わると思うんですけど、そういったところに奨学金って実は大きい一つの足かせになってるんでしょうね、そういったものを支援するプラットフォームとしてスタートさせています。」
具体的にどういうシステムになってるんでしょうか?
「非常に簡単に言うと奨学金をもらっている方々を人材紹介という形で紹介をさせていただいて、その紹介手数料と、あと寄付金支援金を僕たち集めてますので、それをその人たち自身に割り当てて返還をしていくという、簡単に言うとそういったシステムになっています。」
負担というのは、返さなくてもいいということですか?
「最終的には返さなくていいところまでを目指してるんですけども、今は返済してらっしゃる方の大体平均60%から70%ぐらいは返済してあげるような仕掛けです。」
会社としての利益はどうやってあげてるんですか?
「ここはですね実は広告費の効率化なんですよね。職業紹介費用っていうのは半分が人件費、半分が広告費なんです。そういったコスト構造になってるので、いわゆるSDGsですね、最近でいうとこのキーワードで言うとSDGsの支援という形で協賛企業であったりとか支援企業を集めることで広告費を圧縮して、圧縮してる分が全部返済金に回っているというそういう仕組みになってます。」
現在三つのサービスがあるということで、そちらについても教えてください。
「先ほどお話した職業紹介を通して返済しますというのが一つ目のサービス、二つ目のサービスは、SDGsの参画をご支援させていただいておりますので、企業様から協賛金・支援金をいただいて、この奨学金の就学就業サイクルを後押ししてくれてる会社だよというブランディングをさせていただきます。そうするとお金が集まってきますので、そのお金が集まってきた金融プラットフォーム、これを使って、実は自社の社員さんでも10%から20%奨学金を返済しながら働いてる方がいるんです。でこの方々の返済を一緒に支援しませんかという形でその事業のアウトソーシングですね、返済業務の代行をさせていただく、この大きく三つをやらせていただいております。」
特にこの奨学金ってここ数年社会問題化もしてい流と思うんですが、現状はどうなんでしょうか?
「実は奨学金という仕組みは、1943年、戦時中にいわば国が作った仕組みで、いわゆる就学就業サイクル、そういったものを応援する仕組みとして世に出てるんですが、実はどんどんどんどんですね時代が変わっていくことに伴って、奨学金を返済してる人が480万人、総額が9兆5000億円、いわゆる防衛費超えてるんですよね。で今大学生の2分の1が借りていて、毎年40万人卒業しますので半分の20万人が平均300万円の奨学金を抱えて15年かけて返してるんですよ。これが僕はやっぱり先ほどのライフステージの変化とかキャリアチェンジとか、いわゆる起業しようとか、日本経済自身若い子たちがもっともっと頑張って経済発展させていくべきだと思ってるんですけど、ちょっと足かせになってるんじゃないかなと思って、この奨学金バンクをやろうと思って、5年前にこの課題に気づいて取り組み始めています。」
実際にこの奨学金バンクのサービスを受けるためにはどうしたらいいんでしょうか?
「奨学金バンクのサービスを受けるためには、企業様も奨学金もらってる方々もまずは弊社にぜひ一度ご連絡いただければと思います。奨学金バンクと検索していただければ弊社のホームページ出てきますのでそちらにお問い合わせいただければ、企業様は支援企業として、奨学金をもらってる人は、いわゆる奨学金の代理返済をするサービスを受ける対象としてお受けていきますので、まずご連絡いただければと思います。」
産休とか育休で会社休んだり、介護で休職されてる方とかそういった方のサービスはどうなりますか?
「実は介護とか産休こういったものでも奨学金返済は止めません。このサービスは実は文部科学省を通してですね日本学生支援機構と三井住友信託銀行さんにお手伝いをいただいて、お金の管理だったりとか返済の仕方、そういったものを仕組みとして3年前から協議して作ったんですけれども、いわゆる少子化、そういったものとか労働力自身の低減を抑制する、そういったところを軸にしてますので、育休・介護休業中でも返済の方は止めません。
転職した場合に関しては基本的に一旦は止めます。いえば奨学金を借りて働き始めたことで社会貢献していく、経済貢献していくということを前提で奨学金は動いてますので一旦は止めさせていただくという形にはなっています。」
最後にこれまで乗り越えてきたハードルを教えてください。
「奨学金バンクの中で一番のハードルとして言えるとこは、実はこれは冒頭であったように、どうやって利益出すんですか?ってやっぱり聞かれるんですよね。一番最初に文部科学省にご提案に行ったときも、最初怪しいなっていう目でやっぱ見られるんですよ。それをしっかりとやっぱり伝えて、こういう仕組みで、ちゃんと会社も存続するし、奨学金もらってる人たちの支援もできてるんだなということ自身をちゃんとわかっていただく、そこが一番のこれまでのハードなところでした。」
株式会社アクティブ アンド カンパニーの大野順也さんにお話を伺いました。ありがとうございました。