三協フロンテア presents The Starters(ザ スターターズ)

パーソナリティ ユージ・吉田明世20代~30代の若手起業家をゲストに迎え、
彼らがどんな発想や未来への展望を持ってブレイクスルーを起こそうとしているのかお話を伺います。
高い意識とモチベーションで社会に風穴を開けようと取り組む彼らの話が、
「あなたも、世の中を変えられる!」という、
朝、仕事へ向かうビジネスパーソンのやる気のカンフル剤になることを目指してゆきます。

Guest ゲスト

2024.10.01

立ち止まって、共に歩む

株式会社カケミチプロジェクト
代表取締役
岡琢哉さん
児童精神科専門の訪問看護ステーション「ナンナル」を展開



ONE MORNING「 The Starters 」
火曜日のこの時間は社会に風穴を開けようと取り組む若き起業家をお迎えして
そのアイデアの根っこにあるものや未来へ向けたビジョンを伺います。

今週と来週のゲストは株式会社カケミチプロジェクト、代表取締役の岡琢哉さんです。
岡琢哉さんは1987年生まれで児童精神科医をされています。岐阜大学医学部附属病院精神神経科などの勤務を経て、2021年から「カケミチプロジェクト」の代表取締役として、インターネット上の情報発信や地域での支援事業を展開されています。

今週は、主な事業内容について伺いますが、その前に岡さんは児童精神科医なんですね。これはどういう科になるんですか?

「紹介にもあったみたいに、私は元々大人の精神科をやっていて、その後専門として児童を選んだという感じなんですね。基本的には精神科なので、心のことを取り扱う科なんですけど、子供の場合は成長を見守るというか、発達のところを見ていくというのが大きな特徴ですね。」

でも実際は大人の精神科というのが大きいジャンルとしてあったとしたら、子供たちも子供ならではの悩みとか抱えてる人っていっぱいいますよね。

「そうですね。私最近児童精神科を紹介するときに使っているのは、子供たちのつまずきと、傷つきと、悪循環を見ていく医者だという話をしてるんですね。つまずきというのは最近発達障害ってよく話題になってるかと思うんですけど、ADHDの子供とのはわかりやすいですけど、いろんなところでつまずいちゃったりとか、転んだりとか、ぶつかったりしやすい子なんですよね。 心の衝突とADHDの子は本当に体もぶつかっちゃうときもあって、なのでADHDの子は本当成長とともに多動の方は落ち着くっていうのは言われてて、大人になってくると不注意だけ残っちゃうみたいなことはよく言われてるですよね。そういう子供の頃から大人までって絶対連続性があるのでそういう意味で子供と大人と私の場合は大人の精神科もやってたので両方見ることができるというのが児童精神科ですかね。」

児童精神科に来る子供というのは、現在いろんな問題ありますから増えてるのかなと思うんですけど、いかがでしょうか?

「そうですね、受診したいというニーズはものすごくたくさんあって、はい待機期間が全国だと3ヶ月以上、ひどいところだと半年ぐらい待つ場合もあったりするので、子供ってやっぱり人生の区切りというかやっぱり年単位とかすごく状況も変わってくるので本当は早く見なきゃいけないってことで、今認定医の数も実は増えている途中なので、それも大きいんですが、やっぱり医者だけだと足りないなというのが私が臨床やってた実感としてあったので、それが少し事業に繋がってくるっていう感じです。」

その事業がカケミチプロジェクトということで、「ナンナル」というサービスなんですね。これは日本初ということですが、どういったサービスなのか教えてください。

「今私医者をやってると言ったんですけど、「ナンナル」でやってることというのは訪問看護というサービスを利用しています。訪問看護っていうサービス自体は珍しいものではなくて、お年寄りが一番在宅医療の自宅で看護を受けるというイメージがあるかと思うんですけど、それのメンタル版の精神科訪問看護っていうのが実はあるんですね。これは大人であったりとかご高齢の方も対象になることもあるんですけど、精神科訪問看護という制度を利用したサービスで、私の場合は児童精神科なので、子供に特化したサービスという形でサービスを提供させていただいてます。」

病院に行くとちょっと子供も緊張しちゃったり本当のことを話せなかったりってなりそうですもんね。

「おっしゃる通りですね。僕がやっぱこのサービスを始めようと思って一番大きいのは、診察室で見てても、ものすごく情報って限られてますし、緊張してるし、でも医者の側って次の患者さんも待たせてるので、本当に早めに切り上げなきゃいけないときというのもどうしてもあるんですよね。待ってると次の人がまた待たせちゃってみたいなことになっちゃうので、そうなるとなかなかゆっくりお話も聞けないし、こっちも上手く時間内に伝えれないってこともあるので、そういうコミュニケーションのギャップがどうしてもあったんですよね。」

エリアはどのあたりなんですか?

「エリアは今杉並区と、事業所の方が阿佐ヶ谷の方にありますのでうん阿佐ヶ谷に一つあるのと、あとはですね東の方で江東区にも1個事業所があります。江東区、江戸川区もエリアになってます。」

料金としてはどのぐらいなんでしょうか?

「一応医療保険制度が使えますので、都内であれば、お子さんであれば利用料金は受給者証が使えますので、医療保険を使えば無料で受けられます。」

実際にはどういった相談が多いんでしょうか?

「本当にいろいろなんですが、衝突が多い、特に衝突も家庭内で衝突が多い場合というのもあるんですよね、家の中でもなんか本人も頑張っているんだけど、うまくいかない。親の方も何とかしてあげたいと思うからいろんなことを注意するんだけどうまくいかなくて悪循環に陥っちゃうとかそういう場合もありますし、やっぱり外に出られない子っていうのもいるので、出られないとゆっくりコミュニケーションを取っていくみたいなこともさせていただいたりしてます。なので外でぶつかってしまって居場所なくなってしまう子供であったりとか、居場所が家の中だけになってしまう子供とかそういった子供が主な対象になっています。」

この訪問看護の先生というのはどのぐらいの数いらっしゃるんですか?

「事業所が今阿佐ヶ谷と江東区亀戸と世田谷と3ヶ所あるんですけど三つの事業所で大体20名弱、17、8名ぐらいが在籍しています。これは看護師と作業療法士ですね。」

それはどういうトレーニングを受けているというか訓練を受けている方々なんですか?

「一部の資格を持ってるスタッフもいますし、その資格を持ってるスタッフと一緒に同行したりとかですね、あと社内で研修も行ったりしながらですね、子供の発達の問題であったりとか特徴について学んだり、あとは関わり方ですね。ゆっくり関わるというのも少しトレーニングが必要になるので、そういったことを一緒に学んできたスタッフが訪問させていただいてます。」

今SNSとか電話とか悩んだら、心の相談をここにしてねとかって窓口が増えたんで、受診する人の数も増えたのかなという気持ちも若干あるんですけどいかがですか?

「おっしゃる通りですね。窓口が増えていろいろ相談できるところが増えてきているし、支援者も増えているのはすごくいいことで、一方で窓口が増えすぎちゃって混乱してるご家庭なんかもあるので、そういうときにうちのスタッフとかだといろいろ他の支援者と繋がってたりもするので、こういうことはそこに相談したらいいよ、こういうことは病院にしようなどのアドバイスもできます。」

訪問看護をベースに、より専門的な治療などがもし必要だと判断された場合はその後の流れってどうなるんでしょうか?

「例えばどうしてもおうちで見ているとどんどん状況が悪くなってしまう場合とかもあって、その場合は入院治療が必要になる場合もあるんですよね。そういった場合は入院をしてる施設とも我々の機関が連携を取ることもできますし、入院した後に退院した後また訪問を続けるっていうこともできるので、そういった形で切れ目なく支援を続けるということを目指しています。」

最後に、これまで乗り越えてきたハードルを教えてください。

「先ほど事業所がいくつかあるという話をしたんですけど、実は今日から中野エリアにもう1個事業所を立てるんです。やっぱり事業所を新しく作るとメンバーが増えて嬉しいこともある反面、新しいチーム作っていくっていうのがやっぱりものすごく難しくて、そのチームをまとめていったりとか新しいメンバーを繋げていくというのは本当に大変ですけど、それを1個ずつ乗り越えて今があるみたいな感じでやらせていただいてます。」

ありがとうございます。カケミチプロジェクトの岡琢哉さんでした。来週もよろしくお願いいたします。


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