2024.09.10
食品廃棄物でお菓子の家を
ONE MORNING「 The Starters 」
火曜日のこの時間は社会に風穴を開けようと取り組む若き起業家をお迎えして
そのアイデアの根っこにあるものや未来へ向けたビジョンを伺います。
今週と来週のゲストはfabula株式会社代表取締役CEOの町田紘太さんです。
町田紘太さんは、幼少期をオランダで過ごし、環境問題に触れ、東京大学で「100%食品廃棄物から作る新素材」を開発。幼馴染3人でfabula株式会社を設立されています。
今週は町田さんのこれまでについて伺っていきたいと思います。
プロフィールでもご紹介しましたが幼い頃、オランダで生活されていて、そこで環境問題に触れたそうですね。
「そうですね、オランダ、結構環境って言うとすぐ出てくる国の一つかなと思うんですけど、そもそも自分が住んでたところが海抜がー2mだったりとか、砂の上に国があって、埋め立てでできた国なのもあって、はい、砂の上の家みたいなところ、まあ割とゆるゆるなとこに住んでたりとか、江東区とか江戸川区みたいなイメージですね。」
学校の授業の違いはありましたか?
そこは結構だいぶ違ったなという印象があって、調べて発表するとか、グループワークとか、そういうのがすごく多い学校で年に3回ぐらいテーマ決めて研究して発表するみたいな授業があったんですけど、そのうちの一つが地球環境についてっていう地球温暖化問題についてっていうのがあったりとか、英語だったんですけど、ちっちゃいので、必死でついていってました。
そこから日本に帰ってこられて東大に入られたわけですが、東大に入りたかった理由というのは何かあったんですか?
「それはそんなになくて、高校がみんな東大に行く高校だったという感じです。」
入ってみてそこから研究をする内容を決めたのか、それとも入る前から東大に入ったらこの研究しようって決めてたのか、どちらですか?
「それは全然なくて、元々文系で法律系のところで入ってたんですけど、そこから大学で3年生に上がるときに、学部を選ぶみたいな制度があるんですけど、そこで工学部に移転しました。」
どうして工学部を選ばれたんですか?
「やっぱり理系っぽいことを普通に勉強したいなって思ってました。」
そこで工学部に入ってよし野菜でタイル作るぞって思ったんですか?
「そこまでもまだあって、入ったのが社会基盤学科という、いわゆる土木系のこと学ぶようなところだったんですけど、そこに入ってからさらに研究室選びがあって、そこで本当はもっとソフト系のこと、都市計画とか景観とかがやりたかったんですけど、選ぶ競争に負けて、そこでもっとハード系のコンクリートとか、構造とかの方に入っていったという感じです。」
具体的なコンクリートの研究というのはどういった研究内容になるんですか?
「私が所属したところはコンクリートをなくす研究というか、コンクリートが環境負荷が非常に高いので、それをリサイクルしたりとか、コンクリートに代わるものを作るとか、そういうような研究をしていました。」
そこからどうして食品廃棄物の方に目を向けるようになったんですか?
「私が入ったときに、指導教官の先生とどういう研究テーマにしようかみたいな話をする中で、先生としては元々食べられるコンクリートだったら面白いんじゃないみたいな話が元々メインとしてあって、私自身は食品廃棄物とか社会課題に元々興味あったのもあって、ちょっとこれやってみましょうかみたいなところから始まりました。」
実際に食べられるかどうかは別として、食べ物がコンクリート的な立ち位置に置き換わる可能性今は十分に示してるわけですもんね。
「そうですね。実際卒業研究のときは大体何でも食べてて、強度と味の評価をするっていう研究だったので、具体的には例えばオレンジの皮でプレートを作ってかじるみたいな。」
一番苦労したことって何ですか?
「一番苦労したのは、シンプルに条件出しというか、1個の素材に対してどういう条件で作れるかというのを何回も何回も繰り返していくので、そこの部分ですかね。」
それってコスト的にはどうなんでしょうか?特殊な機械も使われたりしますか?
「機械自体は結構シンプルで、割と既存の町工場とかあるものを活用はできるものですね。」
研究のために使う皮はどうやって集めたんですか?
「研究のときはひたすらコストコとかに行って大量にオレンジを買って、中をいっぱい食べるみたいな感じですね。」
オレンジの素材化成功を皮切りに様々な素材の加工に挑戦されたということで株式会社fabulaの設立に繋がるわけですが、こういった高い技術があると大手企業からのお誘いなんかもありそうだなと思いますがいかがですか?
「会社への問い合わせとかはいっぱいいただいてますね。ジャンルが結構幅広くて、農家のおっちゃんとも会えば、大企業の役員と会うみたいな仕事があって、結構それが楽しさでもあって、農家のおっちゃんに手土産持ってかなくて怒られたりとか、社会を学びながらやっています。」
この会社は小・中の幼なじみと立ち上げたとおっしゃっていましたが、仲間たちとはこういう話を当時したことあったんですか?
「小中学生の時は全然なくて、単純に仲良かっただけっていう感じで、大学を卒業した後に、こんな技術あるんだけどどうみたいな感じで声をかけて、結構二つ返事でいいねぐらいの感じでした。」
先週ねちょっとお話していた大阪万博ともお仕事するかもというので、どんなことで関わる可能性があるんですか?
「ギャラリーという建物が建てられるんですけど、そこの中の天井材というか屋根材というか、40cm×20cmぐらいの長方形のブロックを上に並べていくみたいな、雨なども一応コーティングしたりとかして、何とかできないかなと今画策しています。」
それは何の食品でできているんですか?
「全部で7種類ぐらいあるんですけど、これから変わる可能性もあるんですけど、白菜とかカカオハスク、コーヒー、お茶、柑橘とかここら辺を混ぜてブロックを作るので、さまざまな色のブロックになるはずです。」
最後になりましたが、これからの夢を教えてください。
「やっぱりゴミをどう価値化するかというところが自分の一番のミッションかなと思っているので、この食品廃棄物でお菓子の家みたいなものを作れたらいいなと思っています。」
fabula株式会社の町田紘太さんにお話を伺いました。ありがとうございました。