2024.09.03
ゴミから感動をつくる
ONE MORNING「 The Starters 」
火曜日のこの時間は社会に風穴を開けようと取り組む若き起業家をお迎えして
そのアイデアの根っこにあるものや未来へ向けたビジョンを伺います。
今週と来週のゲストはfabula株式会社代表取締役CEOの町田紘太さんです。
町田紘太さんは、幼少期をオランダで過ごし、環境問題に触れ、東京大学で「100%食品廃棄物から作る新素材」を開発。幼馴染3人でfabula株式会社を設立されています。
今週はfabula株式会社の事業内容について伺っていきたいと思います。まずこの会社を設立したのはいつですか?
「2021年の10月です。」
fabula株式会社というこの会社の名前、この由来はなんですか?
「ラテン語で物語とか、そんな感じの意味があるんですけど、ゴミから新しいものを作るっていうときにストーリー性のあるもの作りがしたいなと思って、そんな社名にしています。」
ちなみにそのfabulaにいらっしゃる社員の方は何人ぐらいいらっしゃいますか?
「創業メンバーが3人いるんですけど含めて全部で5人います。」
捨てられてしまうものというのは例えば野菜ですか?野菜とかからも、何か商品を作り出してるってことなんですか?
「そうですね。白菜の外葉とかコーヒーの抽出かすみたいないわゆる食品廃棄物から作っています。」
具体的にはどういったことをされてるんですか?
「熱圧縮成型という技術なんですけど、熱と圧力を同時にかけるような方法で、野菜とかコーヒーの靴とかそういうものを素材に変えています。」
それからどういったものを作ることができるんですか?
「基本的にはなんでもなんですけど、例えば雑貨類、コースターとかキーホルダーだったり、もっともうちょっと大きい家具だったりとか、建材だったりとかそういうものもできます。」
具体的に加工はどのように行ってるんですか?
「まずは白菜の外葉とかを乾燥させて、粉末にします。それを金型に投入して熱と圧力をギュッとかけていく、という感じですね。固めるために加えるものなどはなくて、イメージとしてはすごい固いワッフルを作ってるみたいな感じかもしれないです。エポキシとかは基本的に使わなくて、例えば食品同士を混ぜるみたいな、混ぜて強度を上げたりとか性能を変えたりとかしますね。」
一体どなたが考えたんですか?
「この技術自体は私が大学の頃に業研究で開発したものです。」
それは東京大学在学中にそういうアイディアを思いついて、いろいろテストをしたんですか?
「そうですね、いろいろと実験して、元々研究室がコンクリートの研究室だったんですけど、そこの中の研究の一環としてやってました。」
温度とかはどのくらい保つんですか?
「そうですね、結構食材によってバラバラなんですけど常温から200度とか、それぐらいの中でいろいろと調整していくような感じですかね。」
加工などの技術的な部分で課題というのはあるんですか?
「課題は結構いろいろありまして、今は1個1個作ったりするところをもっと量をたくさん作っていこうとすると、コストだったりとか安定性とかそういうものも考えなければならなかったり、耐水性とかもこれから配慮してかなきゃいけないと思ったりとかしますね。」
元々食べ物となると例えば動物がなめてしまったり、確かに虫が寄ってきちゃったりそういったことはあるんですか?
「それは原料によってはあって、例えば、パクチーとかバジル系ってそもそも虫除けに使っているものだと虫が来なかったり、逆にパンとかだと美味しいのでうんくるみたいなとこがあって、用途によって生物をよせたければ多分そういうものを使ったりとかすると思います。」
ただの廃棄物をアップサイクルして蘇らせるにとどまらず、更なる効能を持つものになる可能性があるわけですよね。最終的に何か作りたいなと思ってる商品、製品はあるんですか?
「やっぱりまず建材というのは一つ大きなターゲットにはしていまして、食品廃棄物年間何千万トンと出るので、やっぱそれをちゃんと価値化するには大きいマーケットが必要かなと考えています。」
コラボしてみたい業種とか、このジャンルとかありますか?
「たくさんありますね。例えば大きいビルとかやっぱそういうところに入れ込みたいなと思うところがあるので、設計会社さんとかあと不動産会社さんとかとコラボレーションできたら一番嬉しいなと思いますね。」
今のところ人気が高いものは何ですか?
「今一番はカカオハスクといって、チョコレートのカカオを焙煎するときの殻を使ったものがあるんですけど、これが一番チョコレートみたいな匂いがしたりして、すごく多く出てますね。今までもタイルとかコースターとか、キーホルダー、チャームとかこういうものをいろいろ作っています。」
最後にこれまで乗り越えてきたハードルを教えていただけますか。
「今絶賛乗り越え中なんですけど、大阪万博に向けて建材作りをしていまして、そこが初めての量産化の一つで、だいぶいろいろと壁にぶち当たってるんですけど、来年には乗り越えてると信じて頑張っています。」
もしかしたら大阪万博で何か新しい商品のお披露目になるかもしれないですね。世界に知ってもらうチャンスもありそうです。fabula株式会社の町田紘太さんにお話を伺いました。来週もよろしくお願いいたします。