2024.05.28
若者の可能性を広げる新しいお金の流れを創造する
ONE MORNING「 The Starters 」
火曜日のこの時間は社会に風穴を開けようと取り組む若き起業家をお迎えして
そのアイデアの根っこにあるものや未来へ向けたビジョンを伺います。
今週と来週のゲストは株式会社ガクシー代表取締役の松原良輔さんです。
松原良輔さんは大学卒業後、最初に入社した会社で経営企画や採用業務に従事。その後会社を立ち上げ、成功に導き売却、2019年に奨学金市場のDX化を目指したガクシーを設立されています。
今週はガクシーの主なサービスについて伺います。まず「ガクシー」というサイトを運営されていますが、これはどういったサービスなんでしょうか?
「ガクシーのサイトは日本にあるほぼ全部の奨学金の情報を掲載していまして、奨学金をもらう人、学生だったり、保護者が自分がもらえるものとかを検索して見つけることができるようなサイトになっています。」
日本には奨学金っていくつぐらいあるんですか?
「すごい細かい条件まで分けると何十万とあるんですが、根幹で言うと1万、2万弱ぐらいかなと思います。」
奨学金の制度というのはどこがそもそも運営しているものなんですか?
「結構様々ありまして、大きいのはやっぱり国というか、日本学生支援機構という機関とあとはやっぱり財団や、学校そのもの。あまり表に出てこない所ですけれども財団とか企業とか個人も結構やられたりされています。」
サイトのガクシーでは自分の目的に合った奨学金が見つかるということなんですが、これは具体的にどういうことなんですか。
「基本は検索という形なんですが、奨学金は所得制限とか、例えば地域とか、あとは目指す目標の道など特有の条件があるので、そういった奨学金特有の条件できちんと検索ができて、自分の条件で応募ができる、自分が対象なものがきちんと見つけやすい仕様といった形です。」
例えば自分に合った奨学金をガクシーで見つけた後は自分で奨学金の申し込みを行うのか、それとも例えば仲介的なこともガクシーさんにお願いできるんですか?
「仲介みたいなのやってないんですが、ガクシーエージェントというシステムを使ってもらっている奨学金であれば、ガクシーからそのまま応募が最初からできるといった形になります。」
続いて、クラウド型奨学金運営管理システム、学士エージェントというサービスがあるということで、こちらはどんなサービスなんでしょうか?
「こちらは奨学金の運営側、先ほど言った財団・学校とか、そういったところの業務を効率化するシステムになります。奨学金の業務は結構複雑なので、それも最初から最後までシステム、クラウド上のシステムで完結できますといったものですね。」
ガクシーエージェントへの登録は、企業以外にも個人でも登録できますか?
「基本的にはやっぱり運営団体なので、学校、財団、個人の方で奨学金やられる方も使われたりはしていますね。」
奨学金が決まったとなるとその後も管理しなくてはいけないと思うんですが、管理する側に起こりがちなミスとかっていうのはあるんですか?
「転記ミスというか、ちょっとした細かいミスもあるんですけど、一番はもうその何百人を、アナログなエクセルとかで管理しなくてはいけない世界なので、ミスというよりも管理ができてない。そういった世界観です。例えば聞いた話ですけど、合格者に不合格連絡をしてしまうとか、それぐらいのレベルに結構管理が大変です。そういった管理をこのガクシーエージェントのシステムであれば、やっぱり圧倒的にそういうのはミスはなくなって、やりやすくなるというものになります。」
デジタル化すると作業量的にはどのくらい減らせるイメージなんですか?
「そうですね、3、4割ぐらいのアベレージで作業を減らせるかなと思いまして、お客様で一番多いのも10分の1ぐらいに減ったなどもあります。」
他にはどんなサービスがあるんでしょうか?
「あとはですね、新しい奨学金みたいのをいろいろ作るお手伝いをさせていただいて、『シン・奨学金』というブランドでやっているんですけど、今までは採用とか、そういったものが結びつくような奨学金とかがあまり表に出てなかったんですけど、そういったところを効果的にくっつけた奨学金とか、採用とか販促とかそういったマーケティングの代わりじゃないですけど、ツールの一助になるような奨学金とか、もう一つはやっぱり簡単にできるというか、ガクシーのサイトとシステムがあるので、募集から管理まで簡単にできるので、手軽にできる奨学金などもあります。直近だとわかりやすいのは能登の震災があって、現地の上場企業の方がお金を集められ、寄付を集めると被災した学生を助けたいんだけど配り方とか、学生への届け方がわからないので、そこが一緒にできないかってことで我々がそこを全部担って、お話が来てから1ヶ月ぐらいで全て決まって、お金を配るところまで行けたという例があります。」
ガクシーとしては個人情報の管理とかねそういったところも重要になってくると思うんですけどそのあたりの管理はいかがでしょうか?
「そうですね、その辺は一番気を配ってるというか、対応してるところなんでよくあるプライバシーマークとか第三者機関の資格とか、そういうのを何個かとってきちんと管理しています。」
あとは大事なのは専門性が結構求められるのかなと思うんですけど、どういうスキルがあればスタッフになれるんですか。
「一番はやっぱり奨学金のノウハウというか、こういった形で出したい方の多分希望があるので、例えば1人親を助けたいとか、そういったところはこういう形でやれば準備して回せばできますよみたいな、ノウハウをきちんと持っていて提示できるスキルというか、それが一番必要かなと思ってます。」
ビジネス的な質問にはなるんですけど、ガクシーの利益はどのようにしてあげてるんですか?
「先ほど言った学習支援というシステムの利用料というか、使っていただくための対価をいただいてるような形です。今まで運営に3人ぐらいの工数がかかってたところを、システムを使えば1人分の工数になるので、その分を本当の奨学金に回してもらえればっていう形です。」
日本の奨学金制度の課題はどういったとこにあると思いますか?
「根本的には奨学金の総量が足りないことだと思っています。今日本の学費の10分の1ぐらいしか奨学金でまかなえてないんですけど、変な話これ学費を全部まかなえていれば、奨学金の問題っていうか何もないので、奨学金が全員に行き渡る、全員の学費を助ける総量があれば、もう全ては解決です。現状のマーケットで言うと、やっぱりアナログな体制上で申し込みとかやっているようなところが一番面倒くさいというか課題かなと思います。」
最後にこれまで乗り越えてきたハードルを教えてください。
「ハードルは立ち上げの最初ですね。奨学金というこの重たいレガシーの業界を僕らが変えられるんだというのを信じてもらうのが、今創業メンバーは私を含めて3人で立ち上げているんですけど、まずこの2人にそれを納得してもらうというか、奨学金というところで一緒にやるというところだったり、我々もベンチャーキャピタルとか投資をいただいてるんですけど、投資家とかにこの奨学金っていうところを変えられるってことを信じてもらう。ここのところが多分一番大きなハードルでした。直近だとあの私のツイッターのフォロワーが全く伸びないっていうのが結構大きなハードルになってますね。(笑)」
株式会社ガクシーの松原良輔さんでした。ありがとうございました。