三協フロンテア presents The Starters(ザ スターターズ)

パーソナリティ ユージ・吉田明世20代~30代の若手起業家をゲストに迎え、
彼らがどんな発想や未来への展望を持ってブレイクスルーを起こそうとしているのかお話を伺います。
高い意識とモチベーションで社会に風穴を開けようと取り組む彼らの話が、
「あなたも、世の中を変えられる!」という、
朝、仕事へ向かうビジネスパーソンのやる気のカンフル剤になることを目指してゆきます。

Guest ゲスト

2024.05.21

アップサイクルが当たり前の世界に

ASTRA FOOD PLAN株式会社
代表取締役
加納千裕さん
過熱水蒸気技術を用いた食品乾燥装置『過熱蒸煎機』を開発・販売



ONE MORNING「 The Starters 」
火曜日のこの時間は社会に風穴を開けようと取り組む若き起業家をお迎えして
そのアイデアの根っこにあるものや未来へ向けたビジョンを伺います。

今週のゲストは先週に引き続き、ASTRA FOOD PLAN株式会社 
代表取締役の加納千裕さんです。

加納千裕さんは埼玉県のご出身。ご両親の影響で食に興味を持ち、これまで一貫して食に関わるお仕事でキャリアを積まれ、2020年にお父様の開発した技術を引き継いで、「アストラ フード プラン」を創業されています。

今週は加納さんのこれまでについて伺います。加納さんはご両親の影響で食に興味を持たれたということなんですけれども、ご両親はどんなお仕事されてたんですか?

「私の父は20年以上前になりますけれども大手コンビニチェーンの役員をしておりまして、母は栄養士の資格を持つ主婦でして、家庭での話題はいつも食べ物のことでした。」

そういったご両親の背中を見て、今のフードロス問題にも直面した部分はあるんですか?

「そうですね。そんな家庭で育ったので、当然食品業界で働きたいなという気持ちが自然に芽生えまして、大学も女子栄養大学という大学に通って、料理のことも栄養のこともいろいろ勉強しました。」

将来的な夢は当時からあったんですか?

「食品企業で商品開発の仕事をしたいというのが当時の将来の夢でした。その夢は叶って、大学卒業後はまずRF1とか、神戸コロッケ、デパ地下の惣菜を販売しているロック・フィールドに就職しまして、その後転職をした先が榮太樓という日本橋の和菓子屋さんになりますけれども、そこでは新規事業開発部というところに所属させてもらいまして、新商品の開発だったり、新しいブランドを立ち上げたり、そんなお仕事をさせてもらいました。」

お父様が立ち上げた事業にも参加されたというふうにお聞きしました。

「そうですね、キャリアの過程で父は大手のコンビニチェーンを退職して自分で会社を立ち上げて、今の私のようにベンチャーの社長突然始めてしまったんですね。今から20年以上前なので50代後半か60代、そのくらいだったと思います。父の思いとしては自分が大量生産・大量消費のコンビニの仕組みを作ったと言っていましたけれども、そうすると振り返ってみると添加物がたくさん含まれていて体に良くない、家族に食べさせたくないというような思いもあったようで、今は非常に健康的で美味しいものに変わっていますけれども、当時はそれが問題だと言われていた時代もありました。それを解決するために新しいフードテック、食品の技術が必要だと思って、会社を飛び出して技術開発に取り組んだ。そんな父の事業を手伝っていた時期もありました。」

お父様の事業は成功されたんですか?

「実は失敗に終わってしまいまして、過熱水蒸気という先週もお話した数百℃のスチームを使って食品を加熱して、栄養とか色とか風味を残した処理ができる機械を開発したんですけれども、とてもエネルギーコストが高くてですね、単価の安い食品に使うにはなかなかまだフィットしていない技術ということで頓挫してしまったという経緯があります。それで父の年齢も70代半ばになってまいりまして、もう引退するというふうになったときに、当時父の会社で一緒に働いていた私の直属の上司が、もう1回会社をやろうよというふうに言ってくれまして、自分が父がやってきたことをベースに新しい技術を開発し直すので、どっちかが社長やってって言ったんです。その方が自分は技術者なので、経営者は向いてないと、父がやるか、私がやるかというところになって、世代交代という形で私が代表になった。そんな経緯です。」

社長業というものをこれまで経験されてなかったと思うんですが、引き継ぐことが決まったときはどのように感じていましたか?

「私は実は父の失敗を一番近くで見ていたので、もっとこういうやり方をしたらうまくいくのにというウズウズした思いを持っていましたので、逆に不安というよりかは頑張るぞという気持ちでしたね。」

経営に関しては学んでこられたんですか?

「仕事をしながらビジネススクールに通ったりしていたので、ちょっとは知識はあったと思いますけれども、逆に機械のことはそんなにわからないというのが正直なところで、どちらかというと機械を使って出来上がったパウダーをどう調理するかとか、そちらの方が得意ですね。」

お父様は引き継いでくれるということを知って、何ておっしゃってましたか。

「もうとても喜んでいましたね。父の考え方や思いというのはいつもそばで聞いていましたので、何も言わなくてもも自分の思いをかなえてくれるということで非常に喜んでくれています。」

会社の立ち上げはコロナ禍の真っ只中だったと思いますが、その辺の苦労はあったんですか?

「実はちょうどコロナは世の中が大変な時期が開発期間だったので、まだそんなに売り出しをするというタイミングではなく、逆にWeb会議がその間に普及しましたので、その後の営業活動が非常に効率的になりました。」

今会社には何人ぐらい社員さんがいらっしゃるんですか?

「当初は私と父とその元上司と3人だったんですけども、今は7人に増えておりましてこの夏には9人くらいになる予定です。」

どういう人材が会社に欲しいですか?

「やっぱり明るくって前向き、やっていることが本当に誰もやったことがないことになりますので、どんどんチャレンジしていく精神のある方がいいですね。先週もちょっとお伝えしましたけど、一般向けに野菜パウダーを販売していく計画になっていますので、具体的な話になってしまいますが、ECのWebマーケティングですとかそういったところに長けている人材が来てくれたらいいなと思っています。」

最後にこれからの夢を教えてください。

「日本中、世界中のかくれフードロスをアップサイクルして、かくれフードロスをゼロにする。で、アップサイクルされてどんどん再利用されていくというのが当たり前な世界を作りたいと思っています。」

ASTRA FOOD PLAN株式会社の加納千裕さんでした。ありがとうございました。


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