2023.09.05
社会課題に向き合っていけるきっかけを届ける
ONE MORNING「 The Starters 」
火曜日のこの時間は社会に風穴を開けようと取り組む若き起業家をお迎えして
そのアイデアの根っこにあるものや未来へ向けたビジョンを伺います。
今週と来週のゲストは、LOVST TOKYO株式会社 代表取締役の唐沢海斗さんです。
唐沢海斗さんは、南インディアナ州立大学を卒業後、
大手の人材派遣会社のサンノゼ支店に入社。日本に帰国後、
ヴィーガンファッションの輸入ビジネスを開始。
そして、2020 年にラヴィスト トーキョーを設立されています。
今週は事業についてうかがいます。
まず会社名のLOVST TOKYOですが、LOVSTは何かの造語ですか?
「LOVST TOKYOは 、愛を持って、ヴィーガン/多様性な考え方を一番に尊重できる文化を東京から発信していくという意味の英単語、
LOVE、VEGAN/VARIETY、FIRST、TOKYOを合わせた造語です。」
そのLOVST TOKYOでは、動物の皮ではないレザー製品を提供されているということですが、例えばどんなものがありますか?
「今展開しているのが、廃棄りんごから生まれたアップルレザーのような植物由来のアイテムになっていて、アップルレザーを使ったバックパックや、グレープレザーを使ったトートバック、お財布やコースター、アクセサリーなどがあります。」
そもそもどのようにりんごからレザーアイテムを作るんですか?
「本来捨てられてしまうはずだったリンゴジュースの搾りかすを乾燥させて、パウダー状にしたものを樹脂と混ぜ合わせて本革に近い質感を再現した人工的なレザーになっています。」
アップルレザーの特徴はどんな所ですか?
「一般的な動物性のレザーに比べて軽くて水に強いという特徴があるので、
メンテナンスがいらないし普段使いがしやすいと思います。」
合皮などもこれまでに出回っていると思うんですが、それと比べても違いなどはあるんでしょうか。
「従来の合皮に比べて、アップルレザーは原料に使う石油由来の樹脂の量を減らすことができているので、より環境に配慮した新素材になっています。」
このアップルレザーを作るノウハウは最初から持っていたんですか?
「最初から持っていたわけではなくて、始めた当初はアップルレザー発祥の国と言われているイタリア産のものを使って商品を展開していたんですが、イタリアから調達するプロセスでもco2の排出があるということで、なんとかローカルでできないかと考えていた時に、りんご生産量日本一の青森県の県庁の職員の方から、日本にもリンゴジュースの搾りかすがあるからなんとかできないかという相談をいただいて、そこから国内の老舗のコーヒーメーカーさんと一緒に作り上げていったという形になります。」
実際にアップルレザーにすることで環境への負荷は減っているんでしょうか?
「たとえばLOVST TOKYOのバックパックを動物性のレザーで作ったとすると、アップルレザーの方が58%、カーボンフットプリントベースで低いというデータが出ているので、そういった意味では従来のレザーからこのようなプロダクトに変えていくことで環境負荷を抑えることができるのでは?と思います」
最後に、これまで乗り越えてきたハードルを教えてください。
「実はもともとファッション業界にいなかったので、業界未経験の自分にとっては日々挑戦という感じではあるんですが、その困難も1つ1つ楽しみながら乗り越えていってるかなと思います。」
LOVST TOKYO株式会社 代表取締役の唐沢海斗さんでした。ありがとうございました!