TOKYO FM SHOWROOM主義 EVERY SATURDAY 20:00-20:30

PERSONALITY|前田裕二(SHOWROOM総合プロデューサー)

11月のゲスト【小松成美さん】その?

『SHOWROOM主義』は、夢を追いかける人を、リスナーの皆さんと一緒に見守り、応援していく番組。

今月のゲストはノンフィクション作家の小松成美さん。
今回は前田代表のイマジネーションについてからお話がスタート!

ITやテクノロジー、コミュニティーなど、実体がない世界を構築している前田代表の想像力が気になる小松さん。
どんなイマジネーションから構想が生まれているのかという質問に、前田代表は「このサービスがある世界ってどんなだろう」という想像・妄想から入ることが多いのだと言います。このサービスがあったら、こういう世界になっていくのではないか。では、そのサービスの実現に必要なものは何なのか…という
大きなビジョンをもとに生み出していくと語りました。

小松さんの話を引き出す能力に、「逆にインタビューされているみたいになりましたが…」と話しつつ、小松さんが作品を制作する時に、どういう世界観で思い描くのかという話題に。
イメージを掴むという意味で妄想することももちろん必要ですが、それと同時に壮大なことを描きながら、細密画を描くような繊細なところも見なければならないと話します。物事についてポジティブに振るかネガティブに振るか、どうデフォルメするかというのは作家にのみ与えられた権限で、少しのものの書き方で捉えられ方が変わってしまうという繊細な作業がゆだねられていることをお話いただきました!

また、読者の心に刺さる作品を書こうとするときに、フォーマットのようなものがある理屈派なのか、直感派なのかという前田代表からの質問には後者だと答えます。
情報をもとに想像して、こういうことがあったのではないかという落とし込みにプロットを作る楽しさがあるのだとか。ただ、想像したものをそのまま落とし込んでしまっては破綻してしまうため、情報や資料を照らし合わせ、調べる作業が必要だと語ります。
タペストリーのように様々な要素を混ぜ織りながら、織っている途中では出来上がりがどうなるか本人にしか分からないという面白さがあるとお話いただきました!


過去に読んだ文学作品、特に三島由紀夫が大好きで、『金閣寺』を読み「日常と狂気の境界線ってすぐそこにある」ということに気づいたのだと言います。
『M 愛すべき人がいて』で松浦さんに取材したときも、そう感じたのだとか。
ピュアな思い・誠実さは切り取り方によっては狂気になると前田代表も共感。
ただ、そういう真っ直ぐな思いが新たなカルチャーを生んだのだと感じ、本当にかっこいいと思ったと言います。
それに対し前田代表は、「この本には真実の思いがたくさん乗っているから心に響く」と絶賛していました!

前田代表が実際に自分のライフストーリーを本にしようとしたときに、例えば誰かが亡くなったということを書くのに抵抗があるという話には、小松さんも賛同していました。誰かが傷つくようなこと、炎上して傷付けてしまうようなことは小松さん自身の信念として書かないのだと言います。
この言葉に前田代表は「小松さんにお願いしてみようかな…」と乗り気に!過去の話じゃなくても、未来の話でもいいかも!と構想が膨らんだようでした!

また、人には本当にそれぞれいろんな人生があることを本を読むことで学んできたと言います。
本は一番アナログな媒体で、衰退していくのかもしれないけれど、生涯本を書く人でありたいとお話いただきました。前田代表も手触りのある紙の本が好きだと話し、電子書籍にはいつでもどこでも読めるという機能性があるけれど、本にはお守りのような、持っていることに意味があるものになっていると言います。今後、紙の本の価値はそのような役割を果たしていくのかもしれませんね!小松さんの本に対する情熱をたっぷりと伺えました!

来週は前田裕二の何でも目安箱をお届けします!お楽しみに!