12月15日 ベートーヴェンのピアノコンチェルト
13/12/31
12月16日は音楽史上もっとも偉大な音楽家の一人、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770〜1827)が生まれた日です。この番組でも折にふれ、何度かご紹介していますが、今回はベートーヴェンのピアノコンチェルトに注目してみました。ベートーヴェンは僕にとってもショパンと並びもう一つの大きな演奏活動の柱でもあります。
ベートーヴェンは生涯にわたって5曲のコンチェルトを遺していますが、いずれも全く特徴の異なる個性的な作品です。ピアノ協奏曲というのは、ソロ楽器のピアノとオーケストラがときに対等にわたりあっていくような形式ですが、当時の作曲家にとって、自身のピアノの演奏技術、作曲の技量を存分に発揮できる特別なジャンルだったといえるでしょう。今回ご紹介した、第3番のコンチェルトは第5番に比べると現在ではそれほど演奏される機会は多くないように思いますが、実は戦後すぐの時代には、比較的よく演奏されたそうです。現在ではおそらく第5番が最も多く演奏されているように思います。今回はお聴き頂けませんでしたが、第1番、2番、4番も含め5曲とも入念に構成されており、それぞれの作品が書かれた時期のベートーヴェンの生活、作風を如実に反映しているように思います。僕自身、改めてベートーヴェンのピアノコンチェルトのもつ1曲1曲の個性の違い、エネルギーの強さ、メッセージ性の強さなどを感じました。
【オンエア楽曲】
♪M1 ベートーヴェン《ピアノ協奏曲 第3番》より第2楽章
ピアノ:横山幸雄、ジャパン・チェンバー・オーケストラ
♪M2 ベートーヴェン《ピアノ協奏曲第5番『皇帝』》より 第3楽章
ピアノ:横山幸雄、ジャパン・チェンバー・オーケストラ
(2005年『ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集』のアルバムより)