12月8日 フランク&メシアン
13/12/31
12月第2週目は、同じ10日生まれの作曲家、セザール・フランク(1822年〜1890年:ベルギー出身、フランスで活躍)と、オリヴィエ・メシアン(1908年〜1992年:フランス)という、ともにフランスで活躍した二人を取り上げました。
1曲目には、フランクの代表作でもあるヴァイオリン・ソナタをご紹介しました。1886年作で、近代ヴァイオリン・ソナタの最高傑作の一つに数えられる作品です。フランクは、ちょうどショパンやリストより一回り後輩にあたり、ロマン派の時代に活躍した作曲家です。リストやワーグナーなどドイツ系ロマン派の強い影響を受け、半音階進行や転調を多く用いたり、「循環形式」(多楽章の曲で共通の主題を繰り返し登場させてまとめる手法)を用いた作風が特徴です。さらに、独自の音楽性を盛り込み、フランス近代音楽の礎を築きました。
そしてフランクより遅れること約90年、20世紀初頭に生まれたメシアンは、作曲家、オルガン奏者、ピアニスト、教育者として活躍しました。20世紀の最も重要な作曲家の一人といえるでしょう。 その一方で、神学者、そして鳥類学者としての肩書きをもち、音楽にもその影響が見られます。ピアノ作品としてはご紹介した《幼子イエスに注ぐ20のまなざし》(1944)の他、《鳥のカタログ》(1956-8)などがよく知られています。メシアンの作品をお聴き頂いたのは今回初めてでしたが、いかがでしたか?メシアンは僕がパリ留学中には存命で、とても身近な作曲家なのですが、独特のリズムとハーモニーで、初めて聴いた方はびっくりするかもしれませんが、それが何度も聴くうちに身体に馴染んでくると心地よい波動となって伝わってくる・・・そんな音楽のような気がします。
【オンエア楽曲】
♪M1 フランク《ヴァオリン・ソナタ イ長調》より第1楽章
ヴァイオリン:矢部達哉、ピアノ:横山幸雄
♪M2 フランク《ピアノ五重奏曲 ヘ短調》
ピアノ:スビャトスラフ・リヒテル、ボロディン弦楽四重奏団
♪M3 メシアン《幼子イエスにそそぐ20のまなざし》より 第15曲
ピアノ:ピエール=ローラン・エマール