11月10日 「1」にまつわる作品
13/12/31
11月第2週は、日付の11月11日にちなみ、数字の「1」にまつわる作品をいくつかご紹介しました!最初は「作品番号1」ということで、ベートーヴェンの記念すべきop.1をお聴き頂きました。どんな作曲家にとっても「作品1」は、その後の作曲家人生を予見させるものだと思いますが、ベートーヴェン以降の作曲家でみてみると、ショパン《ロンド ハ短調》、シューマン 《アベッグ変奏曲》、リスト《12の練習曲》、ブラームス 《ピアノ・ソナタ第1番》、チャイコフスキー《2つの小品》など。もちろん出版の都合で「作品1」となった場合もありますが、多くの作曲家がピアノ曲でデビューしていることが分かりますね。ショパンはその後もほぼピアノ独奏曲を書き続けた作曲家ですが、多くの作曲家は、まずはピアノ作品、そして徐々に規模の大きなジャンルへと手を広げて行く傾向があるように思います。
そして「作品11」の中からシューマンのソナタ第1番をご紹介しましたが、その他の作曲家をみても、作品11とは、おおよそ作曲家として軌道にのりはじめた20代から30代初めにかけてにあたる場合が多いようです。徐々に作曲家としての範囲を広げようとするという時期にあたる場合が多いのかもしれません。さらに「作品111」に目を向けると、まず100番台以上残している作曲家はそう多くありません。例えば、ベートーヴェン 《ピアノ・ソナタ第32番》 (52歳頃)、シューマン 《幻想小曲集》(41歳)、ブラームス 《弦楽五重奏曲第2番》(57歳)というように、40代から50代後半にかけての作曲家としても成熟した時期にあたるのではないでしょうか。
【オンエア楽曲】
♪M1 ベートーヴェン《ピアノ三重奏曲 第1番》op.1より 第一楽章
セラフィン・トリオ
♪M2 シューマン《ピアノ・ソナタ 第1番》op.11より 第3楽章
ピアノ:マウリツィオ・ポリーニ
♪M3 ベートーヴェン《ピアノ・ソナタ 第32番》op.111より 第1楽章
ピアノ:横山幸雄 (『ベートーヴェン12会』より)