ON AIR REPORT オンエアレポート

10月13日 鉄道の日 ドヴォルザーク特集

13/10/19


10月第2週は、10月14日の「鉄道の日」にちなみ、音楽界きっての「鉄道マニア」として知られるアントニン・ドヴォルザークに注目してお送りしました。明治5年(1872年)10月14日に、新橋駅と横浜駅とを結んだ、日本初の鉄道が開業。それから約140年たち、電車や新幹線は飛躍的な発展を遂げています。最近では「リニア中央新幹線」が話題となっていますね。演奏家にとって各地を長距離移動することは宿命でもあり、「乗り物」とは切っても切れない関係があります。実は僕も昔から鉄道が好きで、よく小さいころは模型で遊んだりしていた記憶があります。まわりの音楽家にも鉄道好きが結構多いように思います。

さて今回ご紹介したのは、生粋の鉄道マニアとして知られているドヴォルザーク(1841-1904)です。ちょうど19世紀後半、ヨーロッパでも鉄道が整備され、蒸気機関車から電気機関車へと発展していく時代に活躍したチェコを代表する作曲家です。お聴き頂いた作品の中でも<ユーモレスク>は誰しも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。一説によると、アメリカ滞在中に汽車に揺られているときに聴こえて来た走行の音やリズムがもとになった曲とのこと。言われてみると、そのようにも聴こえてくる気がしますね。

ドヴォルザークが活躍した時代は、鉄道開発が進んだおかげで、各国の音楽的な交流が盛んになった時代でもあり、同時にそれまでの音楽の中心国であったドイツやイタリア、フランス以外の国々の作曲家が、自分たちの国の伝統音楽を意識的に前面に押し出した時代でもあります。今回ご紹介したドヴォルザークの作品からは、そのようなチェコの民族性も感じられたのではないでしょうか。



【オンエア楽曲】
♪M1 ドヴォルザーク《8つのユーモレスク》より第7番
   ピアノ:モーラ・リンパニー
♪M2 ドヴォルザーク《スラヴ舞曲集》より第10番
   ピアノ:デュオ・クロムランク
♪M3 ドヴォルザーク 《ピアノ三重奏曲第4番「ドゥムキー」》より第5楽章 
   演奏:ボザール・トリオ