ON AIR REPORT オンエアレポート

7月28日 ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ

13/08/23


7月最終週は、ブラームスのヴァイオリン・ソナタを取り上げました。ブラームスはヴァイオリン・ソナタを全3曲遺していますが、いずれも円熟期(46歳〜55歳)に作曲されたもので、ロマン派を代表するヴァイオリン・ソナタの傑作として広く知られています。

ヴァイオリン・ソナタの歴史を振り返ってみると、バロック時代には、独奏ヴァイオリンが旋律を奏し、それに通奏低音の簡単な伴奏がついたもの、というようにヴァイオリンとピアノという二つの楽器が対等な関係ではなくて、どちらかが主で他が従という形式をとっていました。それが徐々に両者が対等な関係でアンサンブルを形成する音楽へと発展していき、その一つの完成形を示したのブラームスの先輩にあたるベートーヴェンです。そしてブラームスのヴァイオリン・ソナタでも、この二つの楽器が実に美しい調和保っています。

今回ご紹介した第2番、第3番は、いずれもスイスのトゥーン湖畔で完成されたといわれています。
2番はどこか不安で落ちつかないな感じがに全体に漂っているような印象を受けます。3番はブラームス自身の晩年の寂しさを感じさせる一方で非常にドラマティックな要素もあり、かつコンパクトにまとまっていて、一番分かりやすい名曲ではないかと思います。3曲いずれも劣らぬ傑作ですが、やはり最後の第3番のソナタが一番聴きやすく、演奏される機会も多いように思いますが、いかがでしたか?

【オンエア楽曲】
♪M1 ブラームス 《ヴァイオリン・ソナタ第2番》より第1楽章
  ヴァイオリン:イツァーク・パールマン、ピアノ:ウラディミール・アシュケナージ
♪M2 ブラームス 《ヴァイオリン・ソナタ第3番》より第1楽章
  ヴァイオリン:オーギュスト・デュメイ、ピアノ:ミシェル・ベロフ