5月5日 ヨハネス・ブラームス
13/07/07
5月第1週は、5月生まれの音楽家の中から、ドイツ・ロマン派を代表する作曲家、ヨハネス・ブラームス(1833〜1897)を特集してお送りしました。ブラームスが遺したピアノ・ソナタは3曲ありますが、いずれも若い時の作品です。ご紹介した《ピアノ・ソナタ第2番》は、出版の順序で作品2となっていますが、実際には最初のピアノ・ソナタになります。クララ・シューマンに献呈されています。ピアノ作品でみると、初期(10代後半〜30代初め)に規模の大きなものが書かれていますが、晩年には変奏曲や小品が多くなり、味わい深い作品を多く遺しています。交響曲第1番を書き上げたのも着想から約20年後、40代に入ってからというブラームス。どちらかというと大器晩成型の音楽家の典型かもしれません。
僕自身は、2001年から2004年にかけて、全4回のシリーズでブラームスのピアノ作品を全て演奏しました。演奏する側からすると、ブラームスの作品は少しバッハと似ているところがあるように思います。人間的な感情の起伏もある一方で、古典的な作曲技法に対する厳格さもあり、どちらかというと指の自然さよりも作曲技法上、そこに置かれるべき音は何か、を熟慮して書かれているように感じます。
【オンエア楽曲】
♪M1 ブラームス《 ピアノ・ソナタ第2番 op.2 》より第1楽章
ピアノ:スビャトスラフ・リヒテル
♪M2 ブラームス《 ピアノ四重奏曲 op.25 》より第3楽章
ヴァイオリン:矢部達哉、ヴィオラ:今井信子、チェロ:原田禎夫、ピアノ:横山幸雄