ON AIR REPORT オンエアレポート

3月31日 絵画にまつわる音楽

13/04/29


3月最終週は、「絵画にまつわる音楽」に注目してお送りしました。1曲目にご紹介したのは、ドビュッシーの1905年の作品、《映像 第1集》。ドビュッシーが活躍した19世紀から20世紀にかけての時代は、美術作品や文学作品にインスピレーションを受けた音楽が生まれ、その一方で、音楽に着想を得て多くの美術作品や文学作品が制作されました。ちょうど万国博覧会も開催され、世界中の文化・芸術の交流が始まった時代でもあり、異文化から影響を受けたものが多くみられます。ドビュッシーが日本の浮世絵やバリのガムラン音楽に影響を受けたことは広く知られています。その他絵画からインスピレーションを受けた音楽作品、描写的な音楽作品には、リスト:《2つの伝説》より<小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ><波を渡るパオラの聖フランチェスコ>、ラヴェル:《水の戯れ》、シャブリエ:《10の絵画風小品》、ラフマニノフ:絵画的練習曲《音の絵》、ムソルグスキー:《展覧会の絵》などが挙げられるでしょう。絵画的といっても、それぞれの作曲家の捉え方は異なります。絵をそのまま音楽で表すということは不可能なわけで、そこから何かしらのインスピレーションを受け、そこにそれぞれの作曲家の個性・技巧が反映されているといえると思います。


【オンエア楽曲】
♪M1 ドビュッシー《映像 第1集》より<水の反映>
   ピアノ:横山幸雄(1994年『イマージュ』より)
♪M2 ムソルグスキー 組曲《展覧会の絵》より<プロムナード>
   ピアノ:アルフレッド・ブレンデル
♪M3 ムソルグスキー(ラヴェル編曲版)《展覧会の絵》より<プロムナード>
   指揮:アンドレ・プレヴィン、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
♪M4 ラフマニノフ《練習曲集「音の絵」op.39》より第5曲
   ピアノ:横山幸雄(2006年『ラ・カンパネラ〜ヴィルトゥオーゾ名曲集』より)