3月3日 ショパン特集
13/04/29
3月第1週は、3月生まれの作曲家の中からショパンを取り上げました。といってもショパンの誕生日には実は諸説あり、2月22日生まれ?1809年生まれでは?という説もありますが、現在では「1810年3月1日」という説が一般的となっています。さてそんなショパンですが、今年も5月3日、東京オペラシティ コンサートホールでショパンリサイタルを行うことが決定しています!4回目となる今年は、昨年初めて演奏した 2曲のコンチェルトのソロヴァージョンに加えて、あまり聴かれることのない若き日のショパンのオーケストラとの協奏作品の全てをピアノソロヴァージョンで演奏します。コンサートは5部構成で、それぞれの部で似たスタイルの作品を年代順に並べています。ワルツやマズルカ、ポロネーズやノクターンといった1つの様式の中でショパン自身がたどった人生の変遷をお聴き頂けると思います。2曲のコンチェルト以外に、オーケストラを伴った作品は4曲あります。普段からわりとよく演奏される《 アンダンテ・スピアナートと華麗な大ポロネーズ 》以外の《ラ・チ・ダレム・ラ・マーノ変奏曲》、《 ポーランド民謡の主題による幻想曲 》、《 演奏会用ロンド 「クラコヴィアク」 》の3曲は僕自身も初めて演奏する作品となります。
1曲目にお聴き頂いた作品は、《ラ・チ・ダレム・ラ・マーノ変奏曲》。モーツァルトのオペラ《ドン・ジョヴァンニ》第1幕のドン・ジョヴァンニとツェルリーナの二重唱<ラ・チ・ダレム・ラ・マーノ(お手をどうぞ)>から主題をとった変奏曲です。1827年、ショパンが17歳にして初めて書いたオーケストラ付きの作品で、ウィーンでのデビューコンサートにおいてショパン自身のピアノ独奏により初演されています。友人のティトゥス・ヴォイチェフスキに献呈されました。そして2曲目にご紹介したのは、ポーランドのクラクフ地方を起源とする2拍子の舞踏曲をモティーフとした《演奏会用ロンド「クラコヴィアク」》。ショパンにとっては3曲目の協奏作品となります。
今回新しく取り上げる3曲は、いずれも非常に技巧的かつ華やかな作品となっています。そして同時にショパンが生まれ育ったポーランドの田舎の雰囲気を感じさせてくれるような気がします。20歳を過ぎて、父親の祖国・フランスに移ってからショパンの作風はどんどん洗練されていくわけですが、こうして10代の作品を並べてみると、やはりショパンの原点にはポーランドの土着の音楽があるのだなと感じさせられます。5月のリサイタルでは、これらの作品をピアノソロヴァージョンで演奏いたします。どうぞお楽しみに!
【オンエア楽曲】
♪M1 《ラ・チ・ダレム・ラ・マーノ変奏曲》
ピアノ:クラウディオ・アラウ
指揮:エリアフ・インバル、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
♪M2 《演奏会用ロンド「クラコヴィアク」》
ピアノ:クラウディオ・アラウ
指揮:エリアフ・インバル、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団