ON AIR REPORT オンエアレポート

2月24日 イギリス音楽 

13/03/01


 2月23日はヘンデルの誕生日でもあり、エルガーの命日でした。ドイツ生まれで後にイギリスに帰化したヘンデル。そしてイギリスを代表する作曲家、エルガー。2月最終週はヘンデル、エルガー、その他イギリスにまつわる音楽についてご紹介していきました。ヘンデルはバッハと同年生まれでバロックを代表する重要な作曲家です。20代にはイタリア各地を巡り、イタリアオペラ、カンタータなどドイツ以外の音楽の要素に触れています。27歳でロンドンに移住、42歳で正式にイギリスに帰化しています。生涯の約3分の2をイギリスで過ごしており、イギリスでの活動歴が圧倒的に長くなっています。
 エルガーはイギリスを代表する作曲家として筆頭に挙げられますが、作曲家のほかヴァイオリニストとしても活躍しました。エルガーの最もよく知られた作品であり、イギリスの第2の国歌とも呼ばれるのが《威風堂々》。日本では単に『威風堂々』と言った場合は第1番あるいはその中間部の旋律を指すことが一般的ですが、イギリスでは、この中間部の旋律は『希望と栄光の国』と題され、第2の国歌として愛唱されているそうです。そしてもう少し現代のイギリスの作曲家、ホルストの《惑星》を最後にご紹介しました。
 ロンドンは音楽界では重要な場所で、現在でも多くのイギリス出身の演奏家、指揮者が活躍しています。しかし実はピアニストにとってはイギリスのピアノ作品はほとんどないんですね。イギリス音楽の黄金期は、バロック以前の「ヴァージナル」と呼ばれる鍵盤楽器の作品が多数生まれた時代かもしれません。今回はご紹介できませんでしたが、また改めて取り上げたいと思います。


【オンエア楽曲】
♪M1 ヘンデル<涙の流れるままに>(オペラ《リナルド》より)
  演奏:森麻季
♪M2 エルガー《威風堂々》
  指揮:アンドレ・プレヴィン、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
♪M3 ホルスト 組曲《惑星》より<木星>
  演奏:サイモン・ラトル、フィルハーモニア管弦楽団


【今後の演奏会予定】

◎横山幸雄 3大作曲家を弾く ピアノリサイタル
日時:3月3日(日)、午後1時半開演〜4時終演予定
場所:横浜みなとみらいホール
曲目:ベートーヴェン:ピアノソナタ「テンペスト」「熱情」、
   ショパン:バラード全4曲 / リスト:ソナタロ短調

◎ショパンとドビュッシー、ラフマニノフのチェロ・ソナタ (Voyage 第5回)
日時:3月6日(水)、夜7時15分開演
共演:趙静
場所:東京 三鷹市芸術文化センター 風のホール

◎群馬交響楽団定期演奏会
日時:3月 15日 (金)、夜7時開演
場所:すみだトリフォニーホール
曲目:ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 指揮:ダニエル・クライナー