10月21日 近代音楽① フランス
12/12/29
10月第3週は、フランス近代音楽の中から、いくつか作品をご紹介しました。1曲目にご紹介したのは、フランスの印象主義の旗手として活躍したドビュッシー(1862〜1918)。次の時代の新しい音楽を予感させる作品です。《映像(イマージュ)》は、全部で4集があり、第1集と第2集がピアノ曲となっています。本作は、「月が沈む」という音のない静寂を見事に描いた作品で、絶妙なハーモニー、響き、間合いからドュッシー特有のセンスが感じられるのではないでしょうか。
続いてドビュッシーの次の世代として活躍したプーランク(1899〜1963)をご紹介しました。ピアノ曲もたくさん書いていますが、室内楽の作品や歌曲にも素晴らしい作品が多いですね。その他オーケストラ作品やバレエ、オペラなど幅広いジャンルで作品を遺しています。「モダンな音を使った古典的な作風」とでもいえるでしょうか。新古典主義と呼ばれることもありますが、明快でありながら非常にロマンティックだったりウィットに富んだ作品など・・・魅力的な作曲家です。
そしてプーランクの少し先輩にミヨー(1892〜1974)という作曲家がいます。パリ音楽院で学んだ後、ブラジルに渡り様々な刺激をうけた音楽家ですが、ピアノ曲の中では2台ピアノの《スカラムーシュ》が広く知られています。お聴き頂いた演奏のクリスティアン・イヴァルディは僕のパリ音楽院時代の室内楽の師匠なんですが、聴きながら当時をなつかしく思い出しました。今回はフランスの近代音楽についてご紹介しましたが、また今後、別の地域や国を取り上げていきたいと思います。
【オンエア楽曲】
♪M1 ドビュッシー《映像 第2集》より<そして月は廃寺に落ちる>
演奏:横山幸雄(1994年のアルバム『イマージュ』より)
♪M2 プーランク《クラリネットソナタ》より第1楽章
クラリネット:松本健司、ピアノ:横山幸雄
♪M3 プーランク《即興曲集第15番 〜エディット・ピアフに捧ぐ〜》
ピアノ:パスカル・ロジェ
♪M4ミヨー《スカラムーシュ》より第1曲
演奏:クリスティアン・イヴァルディ、ノエル・リー