7月1日 エリック・サティ
12/08/13
7月第1週は、フランスの作曲家、エリック・サティ(1866年5月17日〜1925年7月1日)を特集してお送りしました。サティといえば、19世紀末から20世紀のパリで活躍した作曲家で、自由奔放、個性的な音楽スタイルで、「音楽界の異端児」と称されることもあります。ピアノ曲を中心に遺していますが、曲のタイトルがユニークということでも知られていますね。パリ音楽院に入学するものの、アカデミックな雰囲気が性に合わず退学してしまい、その後はモンマルトルのカフェやキャバレーのピアノ弾きをしながら作曲活動も行っていました。ところが40歳を目前にして改めて音楽学校に入学して勉強し直したりしています。型にはまらない生き方ですね。ちょうど時代的にはドビュッシーやラヴェルなどと同時代にあたりますが、伝統にとらわれないサティの革新的な音楽は、印象主義の作曲家や後進の音楽家たちに大きな影響を与えたとも言われています。また、「家具の音楽」(=環境にとけ込み生活の妨げにならない、聴くことを強要しない音楽)という考え方を提唱したサティはイージー・リスニングの先駆者でもありました。僕にとってのサティは、遊び心にあふれた作品が多く、曲自体は耳馴染みは良いけど、実際演奏するとなると覚えるのが大変そう・・・という印象です。
また番組後半では、ショパンの音楽活動を献身的に支えたジョルジュ・サンドの誕生日(7月1日)にちなみ、ジョルジュ・サンドとの思い出がつまった1曲を選んでみました。《24の前奏曲集》は、二人がマジョルカ島で過ごした際に大半を仕上げた作品です。最も有名な<雨だれ>に続きドラマティックで勢いのある第16番で曲集の一つの盛り上がりを迎えます。そしてこの第17番がちょうど折り返し地点となり、後半へつながる構成であるような気がします。
【オンエア楽曲】
♪M1 サティ《3つのジムノペティ》より第1番
ピアノ:アルド・チッコリーニ
♪M2 サティ《あなたが欲しい(ジュ・トゥ・ヴー)》
ピアノ:アルド・チッコリーニ
♪M3 サティ《嫌らしい気取りやの高雅な3つのワルツ》
ピアノ:高橋佳子
♪M4 ショパン《24の前奏曲集》より第17番
ピアノ:横山幸雄