ON AIR REPORT オンエアレポート

6月3日 シュトラウス2世&ビゼー

12/07/17


6月第1週目は、3日が命日の作曲家二人を取り上げました。その二人とは・・・
「ワルツ王」ヨハン・シュトラウス2世(1825年10月25日- 1899年6月3日)
「カルメン」で有名なジョルジュ・ビゼー(1838年10月25日- 1875年6月3日)
です。実はこの二人、誕生日も同じ10月25日。すごい偶然ですね!シュトラウス2世はウィーンで、ビゼーはパリで活躍しました。シュトラウスの方がビゼーよりも13年早く生まれ、24年長く生きていますが、ほぼ同時代に活躍した作曲家といえるでしょう。共に現在でも演奏される機会の多い人気作曲家ですが、生前は二人の境遇は正反対だったといえるでしょう。シュトラウス2世は、オーストリアの紙幣に肖像が描かれたこともあるほどの知名度を誇り、生前から大人気!その輝かしい活躍に比べ、生前はあまり評価されなかったのがビゼーです。現在では、代表作<カルメン>が広く知られていますが、この作品も初演は失敗に終わっています。そしてその初演からわずか3ヶ月後にビゼーは亡くなっています。同時代に活躍した二人ですが、生前から大人気だったシュトラウス2世と、死後ようやく認められたビゼー。クラシック音楽の分野では亡くなってから人気が出た作曲家の数のほうが圧倒的に多いのではないでしょうか。

さて、このビゼーですが、9歳でパリ音楽院へ入学しています。ピアノもうまかったそうですが、作曲家の道へと進みます。なんといっても代表作は<カルメン>。初演はあまり評価されなかったものの、これまでに数えきれないほど上演されれている大人気のオペラの一つです。僕も何度か見た事がありますが、ビゼーのカルメンは音楽的に全く無駄がなく楽しめるオペラの一つだと思います。オペラは、オーケストラ、合唱、ソリスト、舞台装置・・・全ての要素が入った総合芸術、総合エンターテイメントです。そういったオペラの素晴らしさを十分に満喫させてくれるのが<カルメン>ではないかと思います。実はビゼーはカルメン以外にもピアノ曲も遺しています。生前はピアノの名手と言われていたそうで、「ピアノの魔術師」と呼ばれたリストからも絶賛されたことがあるそうです。ご紹介した<ラインの歌>は、1865年の作で、ピアノ曲としては最後の作品になります。非常に聴きやすく、カルメンのような迫ってくるような迫力や音楽的な官能とは正反対の作品だと思いますが、いかがでしたか?



【オンエア楽曲】
♪M1 ヨハン・シュトラウス2世 ポルカ<ハンガリー万歳>
   指揮:ダニエル・バレンボイム、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団
♪M2 ビゼー オペラ《カルメン》より<前奏曲>、<ハバネラ>
   指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
♪M3 ビゼー《ラインの歌》より<暁><帰還>
   ピアノ:ジャン・マルク・ルイサダ