ON AIR REPORT オンエアレポート

5月13日 ヨハネス・ブラームス特集

12/05/22


5月第2週目は、5月生まれの音楽家から、ドイツを代表する作曲家、ヨハネス・ブラームスを取り上げて紹介しました。ブラームスは1833年5月7日にドイツのハンブルクに生まれました。作曲家、指揮者として有名なブラームスですが、同時に優れたピアニストであったことも知られています。

僕もかつてブラームスの演奏会を全4回シリーズでやったことがあります。ピアノ曲の数はそれほど多くない方でしょう。若い頃にピアノ・ソナタなどの比較的規模の大きな作品を書いており、その後は変奏曲を、そして晩年になって小品集をまとめて書き上げています。ピアノ曲以外ですと、交響曲を4曲、その他室内楽、また合唱曲などを多く書いています。ブラームスは、決して筆が早いタイプでは、じっくりと作曲に取り組むタイプだったのではないでしょうか。いずれにしても、どの作品も非常に完成度の高いものであることは間違いありません。

ブラームスは同時代の様々な音楽家と交流がありますが、中でもシューマン夫妻との関わりは生涯にわたりブラームスに大きな影響を与えています。23歳年上のシューマンは、早い時期からブラームスの才能を高くかっており、評論を通してブラームスが世に出ることを後押ししてくれた張本人です。しかしほどなく、シューマンは若くして亡くなってしまいます。その後もブラームスはシューマン一家との交流を続け、特にクララ・シューマンとは、深い絆で結ばれていました。クララが亡くなった後、一年もしないでブラームスも亡くなっています。1897年4月3日のことでした。

今回、ブラームスのピアノの作品の中から、若い頃、30代、そして晩年と、それぞれの時代の作品をお聴き頂きました。こうして聴き比べていくと、若い頃の作品からすでに若さと同時に重厚感、落ち着きというものを兼ね備えていたように感じます。ブラームスの音楽は、どちらかというと、聴いて分かりやすい作品かというとそうではなく、何度も繰り返し聴くことで体にしみ込んでいくような味わい深い作品が多いと思います。僕もブラームスを演奏する機会はそれほど多くありませんが、久しぶりに聴いてみて、また改めて取り組んでみたいなと思いました。

【横山幸雄の今後の予定】
● Voyage三鷹リサイタル・シリーズVol.3
日時:6月7日(木) 、夜7時15分 開演
場所:(東京)三鷹市芸術文化センター・風のホール
曲目:曲目:ドビュッシー:前奏曲集第2巻
     スクリャービン:前奏曲集op.11- 2、9、11、12、13、14
     ラフマニノフ:前奏曲集 op.23-2,4,5、op.32-5,10,12


【オンエア楽曲】
♪M1 ブラームス《ピアノソナタ 第3番 op.5》より第1楽章
   ピアノ:エフゲニー・キーシン
♪M2 ブラームス《ハンガリー舞曲集》より第1番(ピアノ独奏版)
   ピアノ:エフゲニー・キーシン
♪M3 ブラームス《4つの小品 op.119 》より第1曲
   ピアノ:マレイ・ペライア