ON AIR REPORT オンエアレポート

4月22日 「横山幸雄“入魂のショパン”」 直前スペシャル①

12/04/26


いよいよゴールデンウィークが近付いてきました。今年もGWはショパンです!
今週、来週と来月3日に行われる「横山幸雄“入魂のショパン” ―ショパンの遺志を追い求めて―」のコンサートに向けて、改めてショパンの楽曲の魅力に迫りたいと思います!ショパンの全曲演奏会も今年で3回目となりました。第一回目のショパン生誕200年の2010年には作品番号が付けられたものと代表的な遺作を含めた166曲、第二回目の去年は遺された全ての作品212曲と、毎年少しずつ内容が異なります。そして今年2012年は、ショパンが生前に自身の意志で作品番号をつけた147曲に加えて、ピアノ協奏曲 第1番&第2番のソロヴァージョンの、計149曲を演奏いたします。ショパンは、自身が気に入らない作品は途中で破棄したり、完成させても発表しなかったり・・・自分に厳しい面がありました。反対に考えると、作品番号が付けられたものは、自信作で、ショパンが自らの意志で世の中に遺したかった作品といえるでしょう。今年はop.1からop.64まで作品番号順に演奏いたします。例年通り4部構成ですが、朝8時に始め、夜11時には終わる予定です。

今年の特徴は、なかなか演奏される機会のない、ピアノ協奏曲のソロヴァージョンを取り上げる点でしょう。作品番号としてはop.11が第1番、op.21が第2番になります。僕自身、何度もオーケストラとは共演したことのある作品ですが、ソロヴァージョンは初めてです。この2曲のピアノ協奏曲、実は第1番よりも第2番の方が先に作曲されています。ただ出版された順番が逆になってしまったため、現在のような順序になっています。非常に繊細でロマンティックな第2番に比べ、華やかで堂々とした風格をもつ第1番の方が日本で演奏される機会も多いように思います。この第1番のピアノ協奏曲は、ショパンが20歳で故郷ワルシャワを旅立つとき、告別演奏会でショパン自身のピアノによって初演された作品です。5月3日の演奏会では、2曲とも朝の部で演奏いたします。今回取り上げるソロヴァージョンは、ショパン自身がオーケストラの部分をピアノで演奏できるように書き記しているのですが、楽譜を見ると決してピアノが弾きやすいようには書かれていません。ショパンにとっては、もちろん私的な演奏会でソロで演奏できるように、という意味もあったでしょうが、別の意味として、後にオーケストレーションするときの一つの手がかりになるように、いろいろな音を頭に思い描いて、とりあえず覚え書きのように楽譜に書き留めていたのではないかという気がします。ショパン自身も演奏していたであろう、ピアノ協奏曲のソロヴァージョン。今年の聴き所です。ぜひ会場にお越し頂き、一日かけてゆっくりショパンの人生を堪能していただければと思います。どうぞ楽しみに♪


【オンエア楽曲】
♪1 ショパン<12の練習曲集 作品10>より 第10番,11番,12番
 ピアノ:横山幸雄
    (「横山幸雄 プレイエルによるショパン・ピアノ独奏曲全曲集1」より)
♪2 ショパン《ピアノ協奏曲第1番》より第3楽章
 指揮:大友直人、大阪フィルハーモニー交響楽団、ピアノ:横山幸雄
    (1991年「ショパン:ピアノ協奏曲第1番」より)

【横山幸雄の今後の予定】
★ 横山幸雄“入魂のショパン” ―ショパンの遺志を追い求めて―
日時:5月 3日 (木・祝)、朝8時〜夜11時(朝8時開演、夜11時終演の4部制)
場所:東京オペラシティ
*ショパンが自ら作品番号を付して世に送り出した147曲に加えて、横山幸雄自身も初めて演奏する「ピアノ協奏曲第1番、2番」のソロ・ヴァージョンを取り上げます。