ON AIR REPORT オンエアレポート

4月15日 春の音楽

12/04/26


季節は春!ということで、「春」にまつわる音楽をご紹介しました。「春」をテーマにした音楽作品はたくさんあるわけですが、特にヨーロッパの作曲家にとって春はとりわけ思い入れの強い季節なのかなという気がします。長い冬が終わり春を待ちわびるもの、春の喜びを歌ったもの、春の気分を表現したもの・・・等いろいろありますが、まず1曲目にご紹介したのはシューマンの<春>。31歳の頃の作品で、前年1840年に苦難の末クララとも結婚し、自身の人生もまさに「春」という時期と重なります。春にふさわしく、躍動的な作品ですね。続いてご紹介したのはシューマンの先輩にあたるシューベルトの歌曲です。9つの交響曲やピアノソナタも有名ですが、なんといっても「歌曲王」と呼ばれるシューベルト。「春の歌」「春の寄す」「春の夢」「春に想い」「春に」など、「春」にまつわる作品をたくさん遺しています。そして最後にご紹介したのは、番組では初めて取り上げましたが、フランス近代の作曲家、ダリウス・ミヨー(1892-1974 作曲家、指揮者、ピアニスト)の作品です。オネゲルやプーランクらと同じく20世紀初めにフランスで活躍し、それまでの音楽とは違う、新しい音楽を求めて様々な実験的な作品が書かれていた時代の作曲家の一人です。ドビュッシーやラヴェルよりも、さらに一世代若い音楽家たちです。楽しい作品が多いミヨーですが、この作品も聴いていてとても楽しい印象を受けます。とてもフランスらしい雰囲気のある曲で、なんとなく古き良き時代のフランスを感じさせてくれるような気がします。
それぞれの作曲家の春に対する想いは違うと思いますが、やはり他のシーズンに比べて圧倒的に多くの曲が書かれているのがこの「春」です。みなさんにとって「春」にぴったりの曲はどんな音楽でしょうか?


【オンエア楽曲】
♪M1 シューマン《交響曲第1番「春」》より第1楽章
   指揮:レナード・バーンスタイン指揮、ニューヨーク・フィルハーモニー
♪M2 シューベルト 歌曲《冬の旅》より第11曲<春の夢>、
   テノール:エバーハルト・ビュヒナー、ピアノ:ノーマン・シェトラー
♪M3 ミヨー《四季》より<春の小協奏曲>  
   指揮:ダリウス・ミヨー、ヴァイオリン:シモン・ゴールドベルク、ラムルー管弦楽団 


【横山幸雄の今後の予定】
★ 横山幸雄“入魂のショパン” ―ショパンの遺志を追い求めて―
日時:5月 3日 (木・祝)、朝8時〜夜11時(朝8時開演、夜11時終演の4部制)
場所:東京オペラシティ
*ショパンが自ら作品番号を付して世に送り出した147曲に加えて、横山幸雄自身も初めて演奏する「ピアノ協奏曲第1番、2番」のソロ・ヴァージョンを取り上げます。